クリエーターに必須のシリーズ、アドビCSの最新バージョン、『Adobe Creative Suite 5.5』が登場! 本日から予約開始で、5月20日に発売となる。スマートフォンや電子出版など、新しいデバイスやそのコンテンツ形態にいち早く対応する。CS 5.5シリーズの概要をいくつかのポイントに絞って紹介。
今回の製品がCS6ではなく5.5の理由としては、今まで18ヵ月毎だったメジャーバージョンアップの間隔を2年として、その中間年に当たる1年に1度“0.5”のアップデートを行なうことになったからだ。ちなみに『Photoshop CS5』(無償で5.1に)と『illustrator CS5』などは、今回バージョンは行なわれない。
●スマートフォン向けにFlash、AIRを使ったリッチコンテンツの開発 |
スマートフォンにも“Flash Player”搭載機が増え、今年はさらにリッチなコンテンツ需要が高まることが予想されるなか、『Flash Professional CS5.5』が、アンドロイドやiPhone向けのアプリケーション開発に新機能を搭載。画面サイズに応じてコンテンツのサイズを変更できるなど、多くのデバイスへ柔軟に対応出来るので開発効率が向上する。
●HTML5で、あらゆるデバイスにリッチなブラウザーのコンテンツを投入 |
まもなく登場する予定のIE9などウェブの標準仕様として、注目が集まるHTML5。『Dreamweaver CS5.5』でも、HTML5オーサリングとアプリ開発に対応。HTML5とCSS3を利用した制作ワークフローをサポートする。もちろん、Flashを搭載しないモバイル端末向けのアプリケーション開発も重要になってくる。
●電子書籍、日本語への対応を強化 |
出版業界をウラで支えるDTPソフト『InDesign CS5.5』は、標準の電子書籍ファイル“ePub”形式での書き出しを強化。現在、最終仕様を策定中の“ePub 3.0”で対応する“縦書き”もサポート。日本語コンテンツには重要な部分なので注目したいところだ。さらに電子書籍ならではの、動画などのインタラクティブなコンテンツの収録も簡単にできるようになった。アドビが提供する制作から配信まで行なえるプラットフォーム“Adobe Digital Publishing Suite”と連携する。
●デジタル一眼からの映像制作の需要に対応 |
デジタル一眼レフカメラの動画機能が強化されたことによって、デジイチでの映像制作の現場が増えている。ただ、映像は良いが音声はイマイチで、別途音声を収録しているケースなどの取り扱いを容易にする機能を『Premiere Pro CS5.5』では強化。またエンジンは64ビットOSにネイティブ対応し、パフォーマンスが向上。さらに、iPadやアンドロイド向けのプリセットを追加した。
●PhotoshopでiPadと連携するワークフローを実現 |
今回5.5にはバージョンアップしなかったが、5.1に無償アップデートされる『Photoshop CS5.1』にはiPadをツールとして連携する、ちょっとおもしろいアプリが3つ、5月4日にiTunes App Storeにて発売する。『Color Lava』(350円)はPS5.1でiPad上でカラーを選択・混合してPhotoshopに戻せる。『Eazel』(600円)は、iPad上でペイントして素材をPhotoshopに転送できる。単体のペイントアプリとしても使ってみたい出来。『Nav』(230円)はファイルを開くなど、Photoshopをコントロールできる。ツールをカスタムし、iPadを入力デバイスにできる。またPhotoshopをデバイスでコントロールできる開発ツール“SDK”も提供されるので、アイデアしだいでおもしろいものがつくれそう。
以上、ざっと紹介しただけでも、今回のアップデートでいかにスマートフォン、モバイルコンテンツへの対応が強化されていることがわかる。そして、気になるお値段は……以下のとおり。さらに詳細な各スイートや単体製品のラインアップや価格はリンク先をご参照ください。
『Adobe Creative Suite 5.5 Master Collection』
●直販価格 39万7950円
●CS5からのアップデート価格 9万5500円
『Adobe Creative Suite 5.5 Design Premium』
●直販価格 24万9900円
●CS5からのアップデート価格 5万8800円
『Adobe Creative Suite 5.5 Web Premium』
●直販価格 23万6250円
●CS5からのアップデート価格 5万8800円
『Adobe InDesign CS5.5』
●直販価格 9万3240円
●CS5からのアップデート価格 1万5750円
詳細なラインアップと価格はアドビ公式サイトを参照ください。
●新たな購入方法“サブスクリプション”を導入 |
さらに、サブスクリプションという、新たな購入方法が登場。これはCS製品を必要な期間のみ、ひと月ごとで使える権利を購入できるというもの。『Master Collection』で、ひと月の支払いが年額プランで月額1万9000円、月々プランで月額2万8000円。さらに契約中にもし『CS6』が出た、なんてときもバージョンアップして使い続けられる。例えば今やっているプロジェクトに3ヵ月間だけ、ひとり追加しないといけないんだけど新たにソフトを買うのは大変。なんてシチュエーションに使える。
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