GoogleのAndroidがバージョン2.3(Gingerbread)で近距離無線通信規格のNFC(Near Field Communication)に対応することになりました。Appleも次期iPhone 5でNFC対応すると予想されています。こういったことから、NFCはMWCでもトピックスのひとつとなり、NFCのセッションは最終日にも関わらず満員御礼。急遽、会場外に画面を設置してセッションを聴講できるようにするという措置がとられたほどです。いよいよ機運が高まってきたことを思わせます。
NFCはFeliCaと上位互換のある非接触IC技術。現在日本で利用できる乗車券や決済などのおサイフ機能のほか、双方向での通信が可能な点を活用した利用法にも期待がかかっています。
Gingerbreadにより、今後、Androidを採用する多くのメーカーがNFCをサポートした機種を発表すると予想されます。BlackBerryもこのトレンドに乗るようです。MWCで基調講演に登場したカナダResearch In Motion(RIM)の共同CEO、Jim Balsillie氏は、「NFCは標準になってくる」との見通しを述べました。そして、BlackBerryでのNFC対応について、「今年発表する多数の機種で対応する」と発言しました。
ただ、RIMもAndroidメーカーもこれからNFCに対応するという段階であり、会場では、NFCを搭載した機種を披露しているところは多くありません。探し回ったところ、端末メーカーではSamsungのブースでデモを披露していました。
SamsungブースのNFCコーナーでは、NFCに対応した最新のGALAXY S IIとWave 578の2機種を使って、決済、乗車券、情報表示といったNFCの利用例を紹介していました。
決済の例では、アプリを立ち上げてPINコードを入力後、専用端末に端末をかざしクレジットカード決済を行うというもの。情報表示の例では、タグが組み込まれたカードに端末をかざすとURLを読み取りました。「URLを入力する手間を省略できる」とスタッフは説明してくれました。
商品の写真に近づけて、詳細情報を得ます。
詳細情報の下には、マップ表示、共有、評価の3つのボタンがあります。
ショッピングカート。
商品がある場所を店内マップ上で表示。最後は、店の出口にあるポスターにかざすだけで、今日のショッピングがどうだったかの評価ができます。
ショッピングの評価ができるポスター。星の上に端末を置くと、画面上には評価の確認とコメント記入欄が表示されました。
このように、MWCでは確実にNFCへの関心が高まってきたことを感じました。日本はFeliCaで先行しており、NFC時代に向けどのように移行していくのかが注目されます。
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