スマートフォンでiモードのメールアドレスを利用できるドコモの新ISP「spモード」。スマートフォンは、まだまだ使いやすく進化する!? キーパーソンに直撃インタビューを敢行!
今回のキーパーソン
NTTドコモ 久永隆則さん
●ひさなが たかのり/スマートフォン事業推進室 サービス企画担当課長。企画開発の統括・とりまとめを担当した「spモード」のキーパーソン。
◆iモードとmopera Uのいいところを両取り
――この9月からサービスインされたspモードですが、あらためて、スマートフォン向けに新たなISPを提供される狙いから教えてください。
「これまでドコモには、iモードとmopera Uという2つのISPがありました。iモードは、お客様に便利に、安心して使っていただくために、ドコモが全体をコーディネートしたISPでした。一方でパソコン通信をメインターゲットにしたmopera Uは、インターネット標準のオープンな環境であるかわりに、セキュリティ面に関してはある程度自己責任で、というISPだったわけです。そんな“ドコモ仕様”と“インターネット標準”のいいところ取りをして、基本的にはオープンな環境のスマートフォンでも、どなたにも便利に、安心して使っていただけるサービスを提供したいというのが、spモードの目的なんです」
――今年9月というタイミングでサービスを開始されたのに、何か理由はあるのですか?
「この夏の新機種であるdynapocketやLYNXも6月、7月に発売となり、ラインナップがひと通り揃います。また、すでにアナウンスしているとおり、今秋投入予定のGalaxy Sをはじめ、今後ドコモではラインナップを強化し、スマートフォンにますます力を入れていく方針です。それにタイミングを合わせたということですね」
◆iモード対応機種との垣根はなくなる
――spモードの企画や開発にあたって、最も注意されたのはどんな点ですか?
「一番はやはり、メールですね。ひとことでiモードメールと言ってもいろんな機能があるのですが、初期設定が不要であるとか、自動着信ができるとか、絵文字やデコメも使えるとか、それになんといってもメールアドレスがiモード対応機種から引き継げるとか……そういったiモードメールに馴染んでこられたお客様のニーズや利用率が高いものは、きちんと取り込んでいこうと考えました」
――今回のspモードの導入で垣根がなくなって、iモード対応機種からスマートフォンに機種変更するユーザーも増えそうですね。
「そうですね。今回のspモードと、今秋以降に考えているおサイフケータイへの対応。まずこの2つが揃えば、純粋に端末自体の魅力だけでiモード対応機種と比較ができて、より多くのお客様にスマートフォンにエントリーしていただけるのではないかと思っています。さらに今後も、スマートフォンをiモード対応機種と同じように使っていただくために、ユーザーのニーズの高い機能やサービスを取り込んで行くことも考えています」
――たとえば、iチャネルやiコンシェルなどのサービスや、iモードの情報サイトなどはユーザーのニーズも高いと思うのですが、それらがそのまま使えるようになるのでしょうか?
「iチャネルのような“情報提供サービス”や、iコンシェルのような“行動支援サービス”は、スマートフォンにも必要だと考えています。ですが実現するとしたら、おそらくiモードのサービスをそのまま持ってくるのではなく、何か別の形で提供することになるでしょうね。また、iモードのサイトに関していえば、そこで得られる情報には、インターネット上で同じ情報が得られるものもたくさんあります。ですから、このあたりはまだ検討課題ではあるのですが、ドコモマーケットからリンクを張って、iモードの公式サイトと同じ情報に到達できるようにする……といった形のほうが、スマートフォン&インターネット時代には合っているのかなと考えています」
――spモードの当初の利用者数は、どれぐらいを想定されていますか?
「ドコモでは、今年度のスマートフォンの販売目標を100万台に設定しています。ですから、より多くの方にspモードをご利用いただいて、少しでもこの数字に近づけたいですね」
◆本誌編集長の注目ポイント! 本誌・中島
今回のspモードを見てもわかるように、ドコモのスマートフォンは、想像を超えるスピードとクオリティで進化しようとしている。自由度の高さがウリのスマートフォンに、iモードの細やかなサービスまで備えた夢のようなケータイが、早ければ来年度にも続々と登場するかもしれない!
▲簡単に使える「spモード」のメールアプリ。Androidでは、スキンを4種類用意。
▲ドキュメントや電話帳も添付できるなど、スマートフォンならではの機能も。
▲メールの受信を伝える、画面上部のアイコンにも注目。
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