劇速ブラウザーに進化したIE9ベータ版で遊ぼう! 【第3回】アドオンパフォーマンスアドバイザーとBeauty of the Web
IE9ベータ版のインストールと基本的なUIについては以下をご覧ください。
【第1回】インストールとUI概観
【第2回】ワンボックスとピンサイト
今回は、前回紹介できなかった“Aero Snap対応タブ”、“[新しいタブ] ページ”、“ダウンロードマネージャー”、“アドオンパフォーマンスアドバイザー”について解説しよう。
前の3つには、既にChromeやFirefoxで利用できる機能もあるが、IE9は後発故に他のブラウザーに比べて使い勝手はあがっている。
“アドオン パフォーマンス アドバイザー”は、IE9ベータ版だけの新機能だ。スピード低下の原因となるアドオンをリストアップして、即座に無効にすることができる。
アドオンパフォーマンスアドバイザー。ブラウジングの速度向上を支援する。 |
そのほか、ベータ版公開にあわせて開設された『Beauty of the Web』を紹介する。これは、IE9ベータに最適化されたWebサイトのショーケース。協力各社が提供する様々なギミックを使ったWebサイトは必見だ。
デモサイトのBeauty of the Webでは、様々なIE9対応サイトを体験できる。 |
■Windows Aero Snap対応タブ
Windows 7には、“Aero Snap”というウィンドウリサイズ機能がある。これはアプリケーションウィンドウを、自動的にデスククトップの半分のサイズにする機能だ。ウィンドウをドラッグした状態で、デスクトップの右端もしくは左端にもっていくとリサイズしてくれる。二つのアプリケーションを同時に使いたいときなどに重宝する機能だが、IE9ベータ版ではこの機能をブラウザー内のタブでも利用できるようになった。
それでは、実際に試してみよう。IE9ベータのタブをドラッグした状態で、画面右端に移動させる。するとマウスカーソル周辺が発光するので、そのタイミングでウィンドウをドロップすればよい。ウィンドウ上部をダブルクリックするとウィンドウは元のサイズに戻る。
タブをドラッグして右端に配置した後、同様に左端にも配置。二つのサイトを同時に閲覧できる。 |
また、ウィンドウもしくはタブを画面上部にドラッグして、マウス発光後にドロップすると全画面表示になる。
■よく行くサイトに新規タブからアクセス
新規にタブを開くと、頻繁にアクセスするサイトを最大10個表示する機能も追加された。各サイトをクリックすると各サイトに直接アクセスできる。各サイトの表示は、ファビコンとサイト名、今までのアクセス頻度を示す棒グラフで構成され、タブ内ではアクセスの多い順に左上から表示される。
また、ウィンドウ下部の【閉じたタブを再度開く】をクリックするとメニューが表示され、最近閉じたウェブページを10件表示する。一番下の【閉じたタブをすべて開く(P)】をクリックすると10件のウェブページをすべて開くことができる。
【直前のセッションを再度開く】をクリックすると直前に閉じたタブの内容を再度表示することができる。
■遅いアドオンを外してスピードアップ!
アドオンが原因でスピードが落ちた場合に役立つのが“アドオン パフォーマンス アドバイザー”だ。スピードが低下すると自動的に起動し、そのアドオンを解除するかどうかを指定することができる。
使い方は次のとおりだ。スピードが落ちた場合、ウィンドウ下部に通知バーが表示される。【アドオンを無効にする...】をクリックすると【アドオンの選択】ダイアログが起動する。
ダイアログには、速度の障害となっているアドオンが一覧表示される。図では、『Windows Live Toolbar』が0.37秒ほど時間を消費していることがわかる。【無効にする】ボタンをクリックすると、即座にアドオンを無効にすることができる。
デフォルトでは、0.2秒以上時間を消費するアドオンに対して自動的に起動する設定となっている。ダイアログ下部の【合計のアドオン時間が次の値を超えた場合に通知する】でこの起動時間を0.0秒から10秒の間で任意に設定できる。
■ダウンロードマネージャー
FirefoxやChromeでおなじみのダウンロードマネージャーがとうとうIE9にも実装されることになった。
使い方は簡単だ。ブラウザー右上のアイコンをクリックしてメニューを開き、【ダウンロードの表示(N)】を選択しよう。すると“ダウンロードの表示”ダイアログが起動する。
ダイアログには、ダウンロードしたファイルと保存場所、保存したファイルの操作が一覧表示される。上部の【オプション】ではファイルの保存先を指定する。
各項目右端の【開く】ボタンでメニューを表示して、【開く(O)】、【プログラムから開く(W)】を選択できる。右クリックすると、ファイルの削除やダウンロードサイトへの移動、セキュリティの再チェックなど各種操作ができる。
■HTML5対応と『Beauty of the Web』
IE9ベータ版の見た目上の主な変化はこれまで紹介したとおりだ。
内面的な変化としては、先にも述べたGPUを利用したレンダリングエンジンとJavaScriptエンジン『Chakra』の導入による高速化、そしてHTML5、CSS3、DOM Level2/3、SVG1.1などのWeb標準に対応するようになった点が挙げられるだろう。いずれも、一般ユーザーが普段ウェブブラウズする上では気にならない点であろうが、Web制作者にとってはかなりの朗報といえる。ブラウザの違いにあわせたデザイン調整や細かな修正などの負担が減るのは大きい。
また、FirefoxのFirebugなどを参考に、より使いやすく改良された開発ツールもポイントだ。今回は紹介できないが、自分で試してその変化を体感してほしい。ブラウザー右上アイコンの右クリックメニューから【F12開発者ツール(L)】を選択するか、もしくはF12キーで起動できる。
IE9はまだベータ版の段階だが、デモサイト『Beauty of the Web』でその技術をフル活用したWebサイトが公開されている。その中から面白いものを何点か紹介したい。
夜空の星々を観察できる。
簡単なシューティングゲームを楽しむことができる。
こちらは、西部劇風シューティングゲーム。かなり凝ったつくりだ。
書道アプリケーション。手は有名な書道の先生のものだとか。
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