HTCは15日(イギリス時間)、HTC Desireシリーズの新製品2モデルを発表した。台湾のメーカーであるHTCだが、発表会が開催されたのはイギリス・ロンドン。ロンドン橋の近くに設置された特設会場に世界から400名弱のプレス関係者が集まった。
ロンドンで開催された記者発表会。ロンドン橋の近くにある歴史的建造物をまるごと貸し切って開催された。
ノキアの刺客、現わる? 会場の前にはノキア「Ovi」サービスのバルーンを持った女性が10名程度集まっていた。ノキアは同じタイミングにロンドンでイベントを行っており、そこからやってきたようだ。
2つの新製品を発表するHTCのピーター・チョウCEO。
●HTC Desire HD
4.3インチの超大型液晶ディスプレーを搭載したハイエンドモデル。CPUは新型スナップドラゴン1GHzを搭載し、OSはAndroid2.2(Froyo)。カメラは8メガでデュアルフラッシュを採用する。アルミニウム素材のユニボディー構造になっており、高級感がある。無線LANアンテナになっている蓋を開けるとバッテリーが収納されているなど、独自の設計が特長。とにかく画面が大きい、というのが印象的だ。
Desire HDは4.3インチという大型ディスプレーのため、本体が大きいので女性が片手で持つのはつらいかも。いまのところ日本語非対応だが、週刊アスキーPLUSを表示させてみたところ日本語の表示は可能。
Desire HDの背面。右の細長いパーツは無線LANのアンテナを兼ねた電池蓋。空けると電池を交換できる。3Gアンテナは本体下部に配置。背面上部には8メガピクセルのカメラを搭載している。
●HTC Desire Z
一方、フルキーボードを搭載しているのがHTC Desire Z。従来機種のようにスライドするのではなく、画面部分が浮かび上がってフルキーボードが登場するような設計になっている。スライドではないので、本体は比較的薄い。チップは800MHzのスナップドラゴンでカメラは5メガピクセル。こちらもAndroid2.2(Froyo)を採用する。実際にキーボードを打ってみたが、配置に慣れは必要なものの、ボタン自体は押しやすく感じた。
QWERTYキーボードを内蔵したHTC Desire Z。画面横にあるのは光学式ポインター。“Z”は画面部分とキーボードが角度がなく「ゼロ度」のフラットになっているのが由来なのだという。
背面の処理も美しく、高級感のある仕上がりとなっている。
キーボードを出そうとしているところ。画面がポップアップして重なっていたキーボード部分が登場する。このかたちが“Z”に見えなくもない。
Nexus One(左)と比べてみた。どちらも画面サイズは3.7インチ。Desire Zでは有機ELではなく、スーパーLCD(液晶)というものが使われている。
DLNAによって、本体内にある音楽や動画コンテンツを対応のテレビに映し出すことができる。無線LANでつなぐため、実際に接続するには別売りのレシーバーが必要だ。
新たにカーナビゲーションの機能も採用。レストランやガソリンスタンドなどを探し出し、道案内をしてくれる。
また、HTCでは“HTC Sence.com”として、PCのウェブ画面から端末がどこにあるかを探し出したり、端末にあるメールを編集できるウェブサービスを開始する予定だ。当面はDesire HDとDesire Zの2機種のみの対応となり「従来モデルへの対応は検討中」(HTC関係者)とのこと。
ウェブからの操作で端末を操れるようになるのが長所だが、ソフトウェア処理だけでなく、ハードに依存する部分があるようで、現行モデルをアップデートさせただけで使えるようになるとは限らないのだという。
端末を落としてしまっても、PCからHTC Sence.comに接続して遠隔で端末の呼び出し音を鳴らしたり、画面上にメッセージを送るといったこともできる。利用料は無料だ。
ちなみに2機種の発売は、ヨーロッパとアジア市場は今年の10月よりボーダフォンから投入される見込み。今年の終盤には北米市場も対象となっている。気になる日本市場は「今年中に発売する」(ピーター・チョウCEO)とのこと。複数の関係者の話によれば、すでにDesireを手がけるソフトバンクモバイルから発売されるようだ。
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