キャスト全員、撮影までは楽器は未経験
続いての質疑応答では「楽器の練習や大変さについて」。こちらも、キャスト全員の回答をそのままご紹介しましょう。
水嶋ヒロ : 楽器経験はなかったです。ボクはギターを担当したんですが、天才ギタリストという役だったのでかなりプレッシャーがありました。練習期間中もドラマの撮影があってあまり時間が取れなかったんですが、撮影までにはある程度のところまでもっていけたと思います。
監督や楽器指導の方にすぐそばで細かいところまでチェックしていただき、ボクの力を十分に発揮できるように仕向けてくださったと思います。睡眠時間を削ってでもギターを練習しないことには、竜介という役は説得力が欠けてしまうと思ったので、がんばりました。
佐藤健 : ボクもギターの経験はなく、最初は何も知らない状態から始まりました。クランクインの1ヵ月くらい前にギターを貸していただいて、自宅にもって帰って家でも毎日練習しましたし、現場が始まっても空き時間に弾いたりしていました。指にはマメもできました。
でも途中でギターの楽しさに気づくことができたので、がんばらなきゃというよりは楽しいから弾いていたという感じでした。役自体も最初は弾けない設定なので、気が楽でした。
桐谷健太 : 3年前くらいに、ラップをやっている友だちから「これやってみようぜ」と勧められ、2人でイヤホンを聴きながらフリースタイルで歌ってみたんです。そのときからフリースタイルで歌うようになりました。
今回の映画のお話をいただいたときは、努力というより音楽という不思議な魔法があって、楽しくなると歌いだすように、常にラップを聴いて声を出して歌ってました。自分で詞も書いたし、常に楽しんでましたね。本気になって遊びになって、遊びになって本気になって、それが映画に映ればいいなと思ってやってました。
ビシッとダーク系のジャケットで決めたキャスト陣。忽那汐里の赤いドレスがアクセントになっていた。 |
中村蒼 : ボクはドラムなので両手両足が違う動きで、イライラしながらも無理やり手足バラバラの動きを練習してました。家でも演奏できる音の小さいドラムセットを使ってました。練習しているほうが不安が抜けるので、できるだけドラムスティックを握るようにしていました。
実は撮影中にスティックが折れるという事件も発生しまして、これはボクがそれだけがんばったということなので、それを(記事で強調してもらえるように)お願いします。
向井理 : ボクも楽器経験はなかったので、できるだけ楽器を触るようにして、1日目でマメができました。平はピックではなく指で弾くので、右手のほうがマメができやすかったです。
ウチのイトコがベースの先生なので、家に来て教えてもらったり、クランク前日にも来てもらいました。そうやってテクニックの部分とかを教わっていました。
週アス編集者サイドを向くキャストたち。男性の目から見てもカッコイイっす。もちろん忽那汐里さんもカワイイっす! 堤監督は意外にお茶目な方でした。 |
「最後の曲を演奏していたら、晴れてきた」
続いての質問は「映画の中や、それ以外の場面で、奇跡を感じたことはあるか?」というものでした
佐藤健 : 最後のライブシーン・ラストシーンを撮影したときなんですが、台本の上では土砂降りで、ライブが終わるとき「雨が上がる」と書いてあるんです。ライブシーンは深夜から朝にかけて1500人のエキストラのみなさんと一緒に撮ったんですが、実際に撮っているときドシャぶりだったんですよ。
でも最後の曲を演奏しているときに晴れたんです。そのときみんなで「なにか降りてきたね」と話したのを覚えています。
忽那汐里 : ここにいることが奇跡的に思えます。オーストラリアで生まれ育って、日本という国自体が私にとって遠い国でしたし、ましてやこんなステージに立って素晴らしい先輩がたと一緒にこの位置で並べること自体が、すごいことだと思います。こういう関わりをもてること自体が奇跡的に感じます。
テレビカメラに向かって手を振るキャスト陣。こういう仕草のときに、性格の違いが現われますね。 |
ロックを前にして十代も五十代もない
最後は、堤監督の質疑応答と締めの言葉をご紹介しましょう。
堤監督:バンドというのはバラバラになったりひとつになったり、セリフの中にも「ケミストリー」と出てきますが、みんなが一緒になったとき出てくるパワーみたいなものをなんとか撮りたいと思っていました。
最後は大きなステージでライブシーンを撮りましたが、鳥肌が立つというか、なにか降りてきたなと思いました。それが写っているかどうか、みなさんぜひ確かめてみてください。
ひとつの見所は、世代を超えてロックを楽しんでもらえるところにあると思います。フィルムの色を調整する担当の年配の方が、映画を見ながらホロッとされているところを見て、やってよかったなと思いました。ロックを前にして十代も五十代もないです。そういう意味で、世代を超えた力のある映画だと思います。
堤監督の言葉に耳を傾けるキャスト陣。監督はキャストたちの演奏について「完璧です」と評価していました。 |
そんな堤監督の言葉で締めくくられた製作報告会見。一般女性ファンはイケメン俳優のカッコ良さにすっかりしびれていたようです。会場の外でファンが口にした「ヒロくん、なんであんなにかっこいいの?」という言葉も納得ですね。
観客に応えながら舞台袖に消える桐谷健太、大物感が漂っていました。 |
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