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ディープなジャズとテクノに酔いしれる! “カルペンティエル地下文学賞”イベントレポート

2010年02月19日 19時47分更新

2月4日の話なので少し時間が経ってしまったが、恵比寿LIQUID ROOMにて“カルペンティエル地下文学賞”と題された音楽イベントが開催された。出演者はストレンジ・ラウンジ・オーケストラの“菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール”、オペラ歌手の林正子(ソプラノ)、エレクトロニカミュージシャンのworld's end girlfriend & BLACK HOLE CARNIVALという豪華な顔ぶれ。週中の木曜日という条件ではあったが、フロアは超満員。おもいおもいにドレスアップした男女で溢れかえっていた。

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↑トップをつとめた菊地成孔。

 まずは開演から約40分間、菊地成孔が語学教材をサンプリングした音声とリズムとを織り交ぜた実験的なDJを披露。フロアを独特の雰囲気にしたところでworld's end girlfriend & BLACK HOLE CARNIVALが登場した。昨年は映画『空気人形』のサウンドトラックを手がけ、各方面で話題となっていた彼ら。この日も、静と動のバランスを絶妙に織り交ぜながら、濃厚かつ叙情性溢れるステージを繰り広げてくれた。ノイジーなサウンドに絡む美しい旋律が観客を異空間へと導く力量はさすがの一言。研ぎ澄まされたテクニックの奥に音楽への愛がほとばしる様を目撃した観客はその空間、音楽すべてに酔いしれていた。

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↑菊地成孔の次は、対バン的な立ち位置のworld's end girlfriend&BLACK HOLE CARNIVAL。

横濱ジャズ研の日向さやかのDJを挟み、より地下的雰囲気を増したところで菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラールがステージに。グランドピアノに、バンドネオン、そしてハープにジャズコンボ。さまざまな楽器が並ぶ中、正装した総勢11名の演者たちが全8曲を妖艶に演奏した。途中『アリア』『行列』でオペラ歌手の林正子らを迎え、よりディープな世界を構築し観客を魅了する。ここは日本ではなく、どこか知らない異国の地で音楽を聴いているような感覚に何度も陥る瞬間を感じるほどの熱く密度の高い空気がフロア全体にあふれていた。その後アンコールにて菊地成孔が「ドルチェを一皿」と言い、自身の甘く中毒性のある歌声が響く『時さえ忘れて』を披露、約4時間にもわたったイベントを締めくくった。

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↑中央は衣装替えした菊地成孔氏。10人編成のペペ・トルメント・アスカラールともども正装で登場。

 このイベント、次回は6月9日(水)にも同会場にて開催される予定。何度でも観たい、そして体感したい甘美な音楽がそこにあるのは確実。次回はどんな顔合わせなのかも今から楽しみなところだ。(相川真由美)

Photo:Chieko Izutsu

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