週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

Shure初の民生向けヘッドホンを試す

2009年11月05日 22時10分更新

 ヒビノインターサウンドより11月20日発売予定のShure製ヘッドホン3モデルの中から、ハイエンド機『SRH840』(予想実売価格2万円前後)の使用レポートを、本誌でおもに音楽関連の企画を担当する相川がお届けします!

SRH840
SRH840
SRH840

 Shureといえばインナーイヤホンの高級ブランドというイメージですが、民生向けヘッドホンは初となります。装着してみて最初に感じたのが、耳へのフィット感がすごくいい! 最初少しキツイと感じたのですが、時間が経つにつれフィット感が増していきます。私、ピアスを5つ開けているので、耳たぶを圧迫されると痛くて困るのですが、この製品は耳全体を包むタイプなので問題なしです! この快適な大型イヤーパッドが、バツグンの遮音性で音漏れしないんですよー。リビングにて大音量で聴いていましたが、家族からの苦情はいっさいありませんでした。コードは片出しタイプで取り外しが可能、本体側は差し込んでから90度回転させて固定する“Bayonet Clip”を採用しているので不意に外れる心配もありません。

 職業柄、テープ起こし(録音した取材内容を原稿にする……実際はテープではなくICレコーダーですが)をよくするのですが、試しにこのヘッドホンでやってみました。実際の取材は自分の耳で相手の声を聞いているわけですが、これまで使っていた安いイヤホンだと声に違和感を感じたり、誰の発言か困惑することもしばしば。ところが、このヘッドホンだとまったく同じ声じゃないですかっ! さらに出音が安定しているので内容も聴き取りやすい! さすがに重量390グラムあるので最後のほうは首が痛くなってきちゃいましたが、これは鍛えて乗り切りましょー。

SRH840
↑カールコードは取り外し可能。万一断線しても、コードのみ交換することができます。3メートルで片出しタイプ。
SRH840
↑交換用イヤーパッドが一式付属。心おきなくハードなDJができますね!
SRH840
↑金メッキ処理が施されたプラグアダプター。回しながら装着します。
SRH840
↑専用キャリーポーチが付属。高いヘッドホンは生で持ち歩くのが心配なのでうれしい。
SRH840
↑ヘッドバンドはメッシュ加工されているので、蒸れにくい。

 さてさて、せっかくのスタジオヘッドホンです。ちゃんと音楽も聴いてみますよ! 私の好きなジャンル順に試してみました。

エレクトロニック
全体的に音の鳴り具合がなめらか。耳に振動がくることもなく、低音から高音までバランスよく伝わってきます。クラブミュージックでもバスドラムとかがズンドコしすぎず、耳触りのよい感じ。個人的には低音はもう少し強調されたほうが好みではあります。スネア、鈴などの音がはっきり聴こえ、しかも立体的な印象。シンセの音はきつすぎる印象でした。曲によっては高音が耳障りなことも。とはいえ、いつも使用しているヘッドホンとは音がまったく違うので「あぁ、実はこういう音だったのかー」と気付くことが多くて楽しかったです。

ロック
歌い始めの口を開ける音まで聴こえました。伸びもよく、心地よい感じ。コーラス部分も重厚な感じで耳に入ってくるし、やっぱりバランスいいですね。奥のほ鳴っている音やひずみ、意図的に入れているノイズまで幅広く拾って届けてくれます。

ジャズ
ピアノの音が超クリアーに耳に届きます。生の音がストレートに響く印象。ん~、落ち着きます。

 音楽機材でも試してみました。愛用しているKORGの『ELECTRIBE MX』では、いつも使ってるDJ用ヘッドホンだと(ダンスミュージック用ということもあり)、低音部分が強調されまくります。これが心地よくてお気に入りだったのですが、この製品だと出音が柔らかくなりますね。個人的には、やはりもう少し低音がほしいなーと感じます。しかし、バランスの良さがこの製品の特徴であるわけです。一部の音が強調されると正確なジャッジができなくなるので、製品の使命ゆえの部分なのかもしれませんね。低音が抑えめなわりに、金管楽器系のサウンドが目立つので、クラシック音楽ファンにもいいかもです!

 SRH240も試してみました!

SRH240
SRH240
SRH240

 エントリーモデル『SRH240』(予想実売価格7000円前後)も試してみました。さきほどと同じ素材でテープ起こしをしましたが、やわらかさ、バランスの良さとも及第点。180グラムと軽量なので、首を鍛える自信のない人にいいかも。コードが着脱式でなかったりと、取り回しの良さや細部の質感は上位モデルに譲る感じですが、求めやすい価格帯ですしこちらもオススメです!

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります