Windows Server 2008 R2 Foundation密着連載 『激安鯖イイじゃないッ!!』
【第1回】やんちゃ系マシンをエンタメサーバーにして遊べ!
■その値段約8万円! OSとマシンどっちがオマケ?
普通サーバーと言えば、オフィスでラックに鎮座し誰もその前に座っていないマシン。扱うのは事務処理ばかりで、色気も遊びもありゃしない。しかし編集Iはこう言った。「藤山さんバカだから、技術を無駄に使って家庭のエンターテインメントサーバーを構築するなんてのはどう?」と。これから連載でお送りするこの企画は、激安サーバーで明るい家族計画とデジタルライフを紹介するドキュメンタリーである!
↑OSなしで、キャンペーン価格なら3万円台からと激安モデルもあるが、やはりOSが付属したほうが費用対効果の面でオトク。『ウィンドウズ サーバー 2008 R2 ファウンデーション』は単体販売されないしね! |
最近流行のいわゆる“激安サーバー”で驚かされるのは、ジャパ○ットにも不可能なプライス! なにせ『ウィンドウズ サーバー2008 R2 ファウンデーション』(以下WSF)付属のマシンが、通常価格7万9800円だ。キャンペーン価格実施中だと6万円台になったりする。
OSのWSFは、SOHOや小規模サーバー向けのもの。本家の『2008 R2 スタンダード』に比べると、多少の機能制限があるが、特に大きいのはユーザー数が15人までというもの。しかし自宅鯖なら問題ない。
『HP ProLiant ML115 G5』 直販価格:7万9800円 |
さっそく電源を入れると冷却ファンが咆哮する。その騒音はMAXで実測112dBと飛行機のエンジン音なみ。コイツ飛ぶのか? と思わせるほどだ。OSが起動すると音量は落ち着くが、それでもうるさい。これは、今後何らかの改造が必要だ。
さて、まずはWSFのセットアップからだが、パスワードで大文字、小文字、数字を組み合わせる必要があるのにたじろぐも、とりあえずクリアー。それ以外は特に問題なく、普通のウィンドウズのように起動ができる。
OSが起動すると、いかにも業務用っぽいUIだがデスクトップテーマを変えればウィンドウズ7風味になるのがポイントだ。ただサービスとしてデスクトップエクスペリエンスを手動起動するのを忘れないように。さらに標準だとス“IE ESC(セキュリティ強化の構成)”のため、IEでダウンロードすらできない。そこで、この機能をオフにして、ひとまずフツーのPCにする。
ショボいグラフィックや騒音問題は今後の連載で解決していこう。車と同じで愛情かけてイジるのが激安鯖の醍醐味だぜ!
テーマを変える準備 |
↑“初期構成タスク”→“機能の選択”→“デスクトップエクスペリエンス”をチェック。 |
Windows7ソックリに! |
↑デスクトップテーマから“Aero Windows7”を選べば、業務用臭い画面とさよなら! Windows7から壁紙を持ってきてみたら、もう見分けがつかない。 |
サーバーらしく特殊ネジを多用 |
↑マザーボードのマウントネジや本体背面など、要所要所で特殊ネジが使われている。星型ネジ用ドライバーがないと、分解できない部分があるので注意(詳細は後日の連載で!)。 |
爆音ファンはこの2つ! |
↑本文中で触れた爆音君はこのファンが原因。ケースファン、CPUファンともに爆音なので、静音化する必要がある。フツーに交換してもおもしろくないので、ちょっとヒネった解決策を思案中。改造案を聞いた担当編集は爆笑していたのでおもしろいはず。乞うご期待。 |
筆者紹介 ── 萌えテクニカルライター 藤山哲人
ASCII.jpでアニメやコスプレや痛車の萌えをほえるが、本業はマジメな技術文章屋。だと思う。
副本部長梅田の鯖のハナシ
梅田 成二 マイクロソフト株式会社 サーバープラットフォームビジネス本部 副本部長 コンシューマー向けのWindows Home Serverからガチガチにエンタープライズ向けの各種Windows Serverまで、サーバー向けWindows全般を担当。週アス的にざっくり言うと「MSのカタめの部署のエラい人」。 |
今回は「なんでリマやねん」という話の続き。
この製品は国内で2万円を切る価格でいわゆる激安サーバーが急速に流通し始めた2008年の冬から企画が始まったんやね。コンセプトは一言でいえば“安いサーバーOS”。たかだか1、2万円のハードに10万円を越えるOSは普通買わへんやろ。
本社のガイジンとの交渉は面白かったで。週アスの激安鯖特集記事とか持ってレドモンド行って、1台150ドルとか言ったら、みんな最初は信じへんのやね。
「それサーバーちゃうやろ」
とか、
「そんな安値で出し続けられるわけない」
とか(ホンマは関西弁やないけど、こういうニュアンスね)バカにしてる間にどんどん売れる、売れる。オンラインストアで用意した100台が1日か、2日であっという間になくなるのを見てるうちに、本社も
「これはネットブックのサーバー版なんちゃうか?」
とか言い始めたんよ。
それでこっちも調子に乗って、仕様のリコメンドとかしているうちに急にプロジェクト・プランが落ちてきて
「コードネーム・リマだ」
と。
「なんじゃそれ?」
と訊くと、
「こんな安いサーバーは日本以外には発展途上国にしかない。これは高価なサーバーに手が届かない人向けのエントリー製品として企画してきたけど、日本で起こっていることはいずれ他の先進国にも飛び火するかもしれない。ゆえに日本も含めて製品プランする」
とか言い始めたわけですわ。ガイジンとの異文化コミュニケーションに錯覚や思い過ごしは付き物やけど、ともあれこんな経緯でウインドウズサーバーの最廉価エディションが登場することになったのは日本にとってはラッキーやったね。
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