アルミユニボディとガラスパネルの広大な光沢液晶を搭載する新MacBook Pro 17インチ。以前のレポートでこのサイズの光沢液晶は、画面の反射が非常に厳しいことを指摘した。
これを改善する最善策は、オプションのノングレア液晶を選択すること。しかし、アップルストアで購入することになるため、大手量販店などのポイントが一切付かない定価購入になり、コストパフォーマンスが悪い。そこで、ツルテカ液晶をノングレア液晶化する保護シート2製品を入手。実際に各一週間程度装着してテストしてみた。貼り付けやすさや色み、フィット感、反射低減の度合いなどは続きをクリック。
今回入手した製品は、レイ・アウトの『アルミニウムMacBookPro17インチ用ギラツキ防止 AG 保護フィルム RT-MBFS2/AG』(2980円)と、パワーサポート(以下、パワサポ)の『アンチグレアフィルム PEF-57』(3680円)の2製品。
いずれも、液晶のベゼル部分まですべてカバーするフルカバータイプなので、貼付けた状態でも、外見上の一体感が良いのが特徴だ(これは意外と大事)。
●フィット感はどちらも良好
いずれもフルカバータイプと書いたが、実際には微妙にカットが異なる。といっても、四つ角は液晶のガラス面に合わせてキレイな曲面でカットされていて、この部分のフィット感は双方とも申し分ない。
異なるのは、iSightカメラ部分の逃げ処理の方法だ。レイ・アウトの保護シートはコの時型に逃げを作っているのに対して、パワサポの保護シートはカメラのレンズ部分ギリギリをカットしている。
まるでシートを貼っていないかのような一体感を重視したい人は、パワサポのフィット感は一見の価値がある。
レイ・アウトの保護シート
↑この角を丸くカットした処理はすばらしい。ほぼ完全に、ガラスパネルの曲面をトレースする形でカットしてある。カメラ部のコの字型の逃げは、パワサポに比べれば目立つものの、嫌な印象はない。
パワサポの保護シート
↑レイ・アウトと同じく、角の曲面処理は非常に良い。注目のカメラ部分の逃げ処理はまさに力作で、ギリギリまでツメてある。
●装着には多少の根気が必要
17インチという大画面ということもあって、やはり保護シートの貼付け作業は、13インチ前後の一般的なノートPC用液晶よりは全般的に難易度が高い。
貼りやすさという点では、レイ・アウトの製品にはプラスチックのヘラが付属しているのが好印象だ。なければ必ず失敗するというほどではないにしろ、片手でシートを保持しながら、もう片方の手でうまく空気を抜いて貼って行ける安心感がある。
ただ、パワサポの製品が特に貼りにくかったかというと、そこまでの差はなかった。どちらの製品を選ぶにせよ、一発で全面を貼ろうとすると、必ずホコリや空気が入り込む。
失敗しないコツは、付属のヘラを使うか、指を使うかして、空気が入り込まないように少しずつ丁寧に貼っていき、ホコリの侵入を発見したら粘着テープを使ってホコリを吸着してやり直す、ということを繰り返すこと。空気が入ってしまった場合でも、小さな気泡なら、上から押せば消えることもある。
ちなみに、今回の作業時間はそれぞれ10分程度だった。
●反射低減効果をチェック
それでは肝心の反射低減効果のチェックだ。写真を見ると一目瞭然なように、程度の差こそあれ、保護シートを貼れば確実に反射が減る。
特に、週アス編集部のように明るい光源が天井に多数並んでいるオフィスなどでは、目の疲れ方が変わるのが即座に体感できた(反射低減効果が良好なことは、隣で見ていたMacBook 13インチユーザーの週アスライター氏も指摘していた)。
製品の特性としては、レイ・アウトの保護シートより、パワサポの保護シートのほうが、より光を拡散する仕様になっている。とはいえ、レイ・アウトの拡散レベルでも十分ノングレア化されているので、どちらが良いかは好みのレベルだ。
個人的に気になっていたのは、保護シートを貼ることで、モアレのようなギラつきが発生しないかどうか。これは残念ながらどちらも同程度発生する。
ただし、よほど発色や細部のディテールにこだわる仕事でもない限り、大半の人は慣れで済むレベルではないかと思う(自分の場合は1時間程度の使用で慣れてしまった)。
微妙なギラつき以上に反射による目の疲れや視認性の悪さのほうがよっぽど気になるので、今さら保護シートを剥がして使う気にはとてもなれない。
発色の変化は、純正のノングレアと光沢液晶との比較でも認められる程度の変化で、明らかに暗くなったり、シャープネスが落ちたりということはなかった。
●レイ・アウトとパワサポと、どちらを選ぶか
見た目の違いも、貼付けやすさの違いもほぼないので、それ以外の点が評価ポイントになる。
シートの作りの良さ(フィット感)で言えばパワサポだが、レイ・アウトは約20パーセント(700円)安い。つまり、価格をとるか、フィット感をとるかということになる。
どちらも成型が難しそうな角の曲面に関してはパーフェクトなので、自分がどこまでこだわるか、というだけで選んでしまえばいいだろう。
間違いなく言えるのは、どちらを選んだとしても、反射に悩まされることは激減するということ!
(イトー)
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