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【完結編】「著作権違反」とYouTubeに宣告された結末

2009年02月06日 02時30分更新

20090203youtube02.jpg

 先日のエントリーで、YouTubeにアップロードしたiPhotoスライドショー動画の音楽が著作権違反と判定された問題。なんらかの行き違いであることは間違いないと確信していましたが、その結末は意外な展開を見せています。

 結果から言うと、原因自体は「……トホホ」レベルだったのですが、そこから発生したあれやこれやが、最終的に違法アップロード管理問題の難しさを図らずも浮き彫りにする形となりました。世にも奇妙な実体験レポートは続きをクリック。

 まず最初に言っておかないといけないのは、なんでもお見通しのビッグブラザー・YouTubeの件。ビッグブラザーは、まったく正しかったということ。

 では、何が原因だったのか? これはまったく意外でした。端的に言うと「アップルの説明が誤っていた」。つまり、そもそもiPhoto'09付属のスライドショーテーマ曲は、ロイヤリティーフリーではなかった、と。

 冒頭に「……トホホ」と書いたのはコレでした。林檎の中の人も人間、間違えることはあるのです。正確な情報を改めて書いておくと、

・iPhoto'09付属のスライドショーテーマ(音楽)はロイヤリティーフリーではない
・ロイヤリティーフリーの音楽が使いたい場合は、iLife'09付属の作曲ツール『GarageBand』のループ素材を使ってほしい

ということだそうです。この“説明の訂正”を受けて、すでに動画は新しいバージョンに差し替え、記事の内容も、新情報を反映したものに書き換えました(訂正前の内容も、誤解を避けるためわかるようにしてますが)。

20090206youtubeBut.JPG

 これだけで終わらないのが、この問題の根深いところ。アップルから訂正が入るなんて珍しいこともあるもんだ、で終わるかと思いきや、別方面から新しい展開が。

 先ほど確認したところ、YouTubeによって音声がミュートされていた動画(非公開)から、どうも著作権警告フラグが外された模様。申し立てをしたら、有無を言わさずフラグが外れるという仕様の可能性は低いでしょうし、内部的に何らかの処理がされたのだと思われます。ちなみに、YouTubeサイドからの連絡はいまのところ何もありません。

 週刊アスキーが「大丈夫なはず」と言っており、これを受けた記事内ではアップルも「間違いない」と太鼓判を押していたわけで、YouTube側がある種のパニック状態になったのかもしれませんが……。

前の記事で掲載した管理画面
20090203youtube01.jpg

フラグ外れ後の管理画面
20090206YouTubeFlag.JPG
↑“サードパーティーのコンテンツに一致”という警告が消え“異議申し立て送信済み”だけになってしまっている。音楽が再生可能になっていることも確認済み。

 また、いまになって気になるのは、YouTubeにひっかからなかった動画の存在です。iPhoto'09の付属音楽はロイヤリティーフリーではないことが判明したので、本来はこちらもチェックに引っかかって良いはず。しかし、こちらはスルーされていました。

 これらの事実からわかるのは以下の2点。
・アルゴリズムによるフィルタリングは有効だが、最終的には現場担当者の判断で、コンテンツ制限を解除可能な仕様になっている(?)
・楽曲によってはフィルタリングにひっかからないケースがある

 これは推測ですが、YouTube側で行なう著作権確認は、あくまでデータベースとの照合までで、異議申し立てがあったとしても、必ずしも著作権管理者(社)にまでは連絡(確認)しない、ということかもしれません。

 お役所仕事なら、「臭いモノにはフタ」で怪しいコンテンツは全部消してしまえばいいわけです。しかし、YouTube側は、著作権上の問題さえなければ、面白い動画は積極的に公開していきたいという意思がある。

なので、今回のように微妙なケースの場合は、現場の判断で「OK」ということになってしまったのでしょう。

とはいえ、メールでもいいので一言くらい連絡が欲しいものですけどね。YouTube内のダイレクトメッセージという手もありますし。YouTubeの日本担当の方、このエントリーをご覧になっているなら、ぜひご連絡を。一度オフレコで飲みにいきましょう。
(イトー)

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