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【レビュー】ロケットの夏(月面基地前)

2006年06月05日 19時41分更新

こんにちは。最近カッチョいい自転車を購入し、週末ごとに近所を散策しているゴウです。自転車、いいですよね。全身で風を感じながら自然と触れ合う……こんなことを想像していたボクですが、現実はいつも厳しいもの。漕がないと進まないなんて想定外でした。あと、国内の上り坂は、全部下り坂に変更すべきだと思います(妄想)。

さて、今回もさっくりとレビューにいきたいと思います。

『ロケットの夏~Full Voice Edition~』(月面基地前:18禁ゲーム)

2002年(でしたっけ?)にテラルナから発売された佳作がフルボイス+追加シナリオの『宇宙島へ行く少年』込みで登場。

もうボクってばSF大好きっ子なんで、ロケットという単語を聞くと全身のロマン回路がフル稼働してしまいます。ロケットいいよな! 元が兵器だとか宇宙開発はカネにならねぇとかチンケなケチつけるヒトがいますが、浪漫なんだからいいんだよ! つまんない野郎は一生重力井戸の底で足掻いてろや! と、声を大にして叫びたい。実際に部屋で絶叫しそうになりましたが、いい年のおっさん(挙動不審)が叫んでると善意の第三者に通報されてしまうのでガマンしました。

題名がレイ・ブラッドベリの傑作のオマージュなだけあって、プレイ前からすでにマイの涙腺はかなり緩んでおり、スタートメニューの背景で、すでに涙の第一陣を発射。タイトルバックで第二陣を投入というハイスパートな号泣ぶりを披露してしまいました。プレイ前に泣いてしまうのは、本邦初ではないでしょうか。ちなみに〝ロケットの夏(Rocket Summer)〟っていうのは、ロケット発射のとき、ケツから噴く火で周囲があったかくなるのを詩的に表現したコトバです。イカスゥ!

で、ゲームの内容ですが、非常にシンプルです。現実とは別の未来を選択した世界が舞台。'40年代に異星からの訪問を受けた地球は、宇宙技術が飛躍的に発達。宇宙との交流が盛んになりますが、地球の文化を守ろうとする勢力がテロなどを決行し、宇宙と断絶してしまいます。そんな時代に生まれ育った少年少女が、手づくりロケット競技大会でいちばん身近な宇宙、高度50マイルをめざすというシナリオです。

気になるヒロインは5人。ロケッティアをめざす少女、宇宙人とのハーフ、宇宙人のお姫様、宇宙人の姫の従者さん、アンドロイドの先生でございます。ヒューマン・ビーイングが少ねぇ! ちなみに、最初にロケッティアの少女を攻略しないと、宇宙人コンビとハーフの女の子とかとキャッキャウフフできないんで注意してください。
で、感想なんですが

キャーーーーーーーーーッ!!! ロケットかっけー!!!!!!

なんというか、シナリオ自体はホントにフツウというか、特にサプライズが用意されているわけではないよくあるボーイ・ミーツ・ガールものなのですが、なんかもう、『ライトスタッフ』とかクドリャフカのお話とか思い出してボロボロ泣けてしまうのです。宇宙開発史が膨大な犠牲と失敗の上に成り立った砂上の城であること、そして開発者たちの執念の成果だというストーリーが、プレイ中に勝手に脳内で再生されて、なんか琴線に触れまくり☆

コクピットの計器だけが表示された画面でウルッときてしまい、そんなセンシティブすぎる自分が不安になってしまいました。こんなことで、この世知辛い東京砂漠で生き抜くことができるのだろうか…… でも、 ちんまい頃お姫様とかに憧れる女の子が今はいるかどうか分かりませんが、男の子は100パーセント全員ロケットとか宇宙飛行士に憧れるもんなんだよ!

まあ、ぶっちゃけるとSFをまったく読まないユーザーから見ると、特筆すべき点もないタダのアドベンチャーなんで、恐ろしくスイートスポットの狭い作品だろうと思います。というわけで、まるで万人にオススメできない本作ですが、そのスイートスポットをもつユーザーなら、プレイしなかったとしたら死ぬまで後悔するで。マキャフリィみたいな、考証よりもストーリー寄りの作家の作品が好きな方は、おそらくお口に合うでしょう。ユーザーマニュアルの表紙なんて加藤直之ですよ! も、萌えるぅ!

ちなみに、追加シナリオはよくあるファンディスク的な内容なんで微妙です。でも、ちょっぴり『歌う船』テイストが入ってたりするところが心憎いですな。

BGMも素晴らしく、ボクにしては珍しく満点を付けたいトコロなんですが、ヒロインの一人である歩のシナリオがオチ以外激☆欝とかいろいろありますんで、あえて点数はナシでひとつ。自分に合う作品かは、ダウンロード可能なデモムービー終盤でB-29からランチされるロケットを見てガツンとキックバックが来るかどうかで判別可能でございます。

ボクの評価(頭に血が上ってしまったので評価不能)
コメント:ココを見て脳味噌が沸騰してしまうような自称チャック・イェーガーな貴方にオススメ(ゴウ)

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