年賀状の必要性は不変だが手段は変化していく
「あけおめLINE」とオリジナル画像がトレンド、年賀状は少数派
本名・住所がわからないのでSNS
新年明けましておめでとうございます。さて、年賀状の発行枚数は毎年減少し続けており、今年2020年はとうとう23億5000枚まで減ったという。高齢者の間では、年賀状を送ることを終わりにする「年賀状じまい」も流行中だ。では、10代の年賀状事情はどうなっているのだろうか。
中学生に聞くと、「LINEで送る。タダだし」「住所を知らないからそもそも出せない」という声があがる。個人情報保護の観点から名簿が作られていないため、クラスの友だちでも住所はわからない状態なのだ。SNS上で親しい友人などは、そもそも本名もわからないケースも多いそうだ。
「やっぱりLINEで送るあけおめLINEが普通かな」。送り方はタイムラインが一般的。より親しい相手にはグループや一対一で送ることもある。「タイムラインなら全員に一度に送れて便利」。
オリジナル画像作成で投稿も人気
今年の人気は、子年らしくねずみの耳を付けた自撮り写真に手書きメッセージを添えて投稿するものだ。前年に撮った写真からベストショットを選んで投稿することも多い。
なかには、オリジナルの年賀状画像を作成してSNSに投稿し、同時にスマホを持っていない人には年賀はがきを郵送する人もいる。Instagramで「#ahappynewyear」「#あけおめことよろ」「#年賀状」などで検索すると、このような画像を多数見ることができる。TikTokには同様の文字を載せた動画を投稿するなど、SNSごとに投稿するのが普通なようだ。
年賀状作成アプリで作ったり、SNSなどでつながっているものの住所や名前がわからない人に年賀状を送るサービスなどもあるが、利用者はそれほど多くないようだ。しかし、ある女子中学生は、「気になる人にはツーショットの写真を選んで特別な画像を作って送るかな。連絡する口実になるし」と言っていた。「返事がきたときはすごくうれしかった」。
年賀状の形は変化しているが、その必要性を感じている人は少なくない。今後も形を変えながらも、年始の挨拶としてこの習慣は続いていきそうだ。
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