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第一弾「HED-Net」は急性疾患の早期対応を実現

CES 2020 積水ハウスが新時代の住宅「プラットフォームハウス」発表

2020年01月09日 00時40分更新

非接触式のセンサーを用い、ウェアラブルデバイスなどは必要ない

 開発したのは、非接触式のセンサーだ。センサーが居住者のデータを取得し、異常があれば、「倒れたかもしれない」と判断する。苦労したのは、カーテンや扇風機など、人以外にも動くものがあるという一般住宅の環境に対応すること。

 倒れた際も、想定した位置で倒れるとは限らない。また、季節によって服装や掛け布団の厚みなど、センサーと人との遮蔽物も変わるため、さまざまな姿勢や環境に対応する必要があった。

 これらについては、慶應義塾大学 理工学部の大槻 知明教授と協業し、センサーや、急性疾患を検知するためのアルゴリズムを共同開発した(現在も研究が進んでおり、実用化まで引き続き精度を高めていくとした)。

急性疾患を検知するためのアルゴリズムを開発

 そして医療の観点から見た最善のフローの構築には、慶應義塾大学病院、システムの構築にはコニカミノルタ、NTTコムウェア、日本電気(NEC)、プレミア・エイドと連携するなど、プラットフォームハウスの推進においては、複数の研究機関、企業とも協業している。

 また今回発表された仕組みは主に寝室での急性疾患を対象としたものだが、今後は、リビングや洗面所もセンシングし、それぞれのセンサーの精度を高めていくことで、食事やくつろぎ方の状況や、顔色の変化といったデータから、睡眠時無呼吸症候群、高血圧症、糖尿病といった生活習慣病の予防や早期発見にもつなげていきたい考えだ。

「いままで通りの暮らし」にこだわった

個人の幸せだけでなく、社会的意義も大きい

 代表取締役社長の仲井氏は「高齢化社会の日本では、将来、介護離職をせざるを得ない、潜在的なリスクがあり、中でも、管理職クラスの人たちがその大きな割合を占めています。

 これらの将来的な課題を解決していくことで、社会コストや医療費、介護費、労働損失額、企業の生産性にもプラス面でコミットできるため、社会的な意義も大きい取り組みだと考えています」と話した。

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