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インドに進撃する中華スマホ

2020年01月04日 09時00分更新

シャオミにOPPO、vivo
中国メーカーのスマホが席巻しているインド

 インドの景色が変わっている。大都市で中国メーカー製スマートフォンを利用する人がすごく増えた。

インドの街角にあるvivoスマホの販売店。こういうところにも取扱店やブランド看板があるメーカーがシェアを取りやすい

 以前はニューリッチな若者はサムスンを、スマートフォン入門者にはインドメーカーのスマートフォンが売れていた。しかし今は、モールの中の電気屋だろうと、駅前の個人経営のスマートフォンショップでも、中国メーカーのスマートフォンばかり。

 どこを見てもシャオミ(小米)やvivo、OPPO、One Plusといった中国メーカーの製品しか売ってないのだ。シェアを見ると、シャオミが1位で、それまで不動の首位だったサムスンが2位に。またシャオミにとってもスマートフォンの出荷台数はインドが中国と同程度にまで上がっている。もはやシャオミにとってインド市場は本国と同様に重要な市場になっているのだ。

こちらはOPPO傘下のOne Plusのショップ

 それもそのはず、読者には聞いたことがある話だろうが、シャオミのスマホは安くてそこそこいい。インドでは低価格製品がメインの「Redmi」ブランドを展開していて、安い製品だと5000ルピー(約7700円)からだ。そんな価格なのに、どこにでも売ってる製品の中では、安くて性能がいいわけだ。Redmiブランドのスマホは多数あり、もうちょっと値段を出せば、より高性能なモデルを購入することができる。ケチと呼ばれることも多いインド人には、コストパフォーマンスの高い製品はウケがいいのだ。

 と、こんな風にスマホが普及してくるとマニアも生まれてくる。インド人店員と会話する中で「あなたの持ってるスマホはどのブランドか?」と質問された。インド未発売で、表裏両方にディスプレーがある「vivo NEX2」という名前を出すと、「これがvivo NEX2かっ! 見せてくれ! 触らせてくれ!」と、文字どおり「インド人もビックリ」な反応。

筆者のvivo NEX2に感動していたインドの店員

 またインドのスマートフォンの検索トレンドを見ても、上位に来るのはハイエンド製品ばかり(売れているのは低価格な製品がメイン)。インド人も最新スマホをチェックしていて、中国スマートフォンマニアが着実に育成されているのだ。

 対してインドの地場メーカーのmicromaxなどのメーカーはさみしいかな、店頭では全く見かけなくなってしまった。日本メーカーも、以前はまあまあ見かけたのだが、今や中古店のみ。パナソニック「ELUGA」なる、日本人にとっては懐かしい響きのスマホブランドがインドでは発売され続けているものの、店頭では見つからないまま。

インドで売られるパナソニックのELUGA。店頭で見る機会はなかった

 どこの店でも、進撃の中国メーカーとGalaxyとiPhone、それくらいしか手に入らない。オンラインショップではもう少しさまざまな製品が売られているが、ネット上での売れ行きでシェアが変わるほどにはインドではECは発達していない。

個人商のモバイルショップではフィーチャーフォンやインドメーカーのスマホも若干売られている

低価格製品で市場に定着してから
上位モデルの展開に進むと考えられる

 今年はトップシェアのシャオミが引き続きインド市場にアプローチするのだろうが、低価格な「Redmi」ブランドだけのところから、次の段階ではより高価な「Xiaomi」ブランドを投入してくることが考えられる。またOPPOやvivoらがますますインド市場に攻勢をかけてくるはずだ。

 OPPOは低価格なサブブランド「Realme」でアピールしているが、これでインド人の心を掴んだ上で、OPPOブランドもあるよと二段階でプッシュをしてくる可能性は考えられる。日本で中国のスマートフォンといえばファーウェイ(華為)だが、まだそれほど売られていない。ファーウェイも今年はインド市場を強化していっても不思議ではない。

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