キングジムは12月4日、クラウドファンディングサービスのMakuakeにて、デジタルノート「フリーノ」のプロジェクトを開始した。
フリーノは、6.8インチの電子ペーパーディスプレー(1440×1080ドット)を採用した、軽量でコンパクトなデジタルノート。白紙の用紙に自由に書ける「ノート」、PDFファイルを開いて画像内にメモを記載できる「ドキュメント」、日付ごとの予定を手書きで書き込める「カレンダー」といった機能を備える。
キングジムの調査では、ノートを利用している人に手書きでメモを取る理由を調査した結果、「書いたほうが記憶に残る」といった意見が多く、「手書きの方が自由度が高い」といった意見なども見受けられたという。
しかし別の調査では、ノートを利用していて目的のページを探すのに困ったことがあるという人が半数以上という結果も得たとのこと。
これを受けて、手書きの良さを残しつつ、紙のノートの不満点を解消する製品を目指して開発されたのが本製品だという。
フリーノでは、E Inkの電子ペーパーディスプレーと、ワコムのデジタライザー/デジタルペンを採用し、4096段階の筆圧検知に対応する。応答速度は20msほどで、実際に試してみてもほとんど遅延は気にならなかった。
ペン先はフェルト材質で、紙に書いたようなさらさらしたスムーズな書き心地を再現する。ペン上部は消しゴム機能のスイッチで、いちいちソフト上でペン設定を消しゴムに変更しなくても、ペン自体を反転させれば書いたメモなどを瞬時に消せる。
本体には8GBのストレージ(システム領域も含む)を内蔵しており、約1万3000ページのノートと、1MBのPDFファイルを約2000ファイル保存できるとのこと。
ドキュメント機能では、まさしく1枚の紙のように、文字や図、絵などを記録できる。
画面左のツールボックスから、ペンの太さを15段階、線の質感を6段階に設定できる。また、ペン先の種類を「ペン」「万年筆」「筆」の3つから切り替えることも可能。
力の入れ具合による書き味が異なり、筆などは強弱がかなりわかりやすい。また、デジタルらしく直線や図形、表の枠線をツールで描画でき、手書きで描くのが面倒なものも手早くきれいに描ける。
ノートの下地には白紙だけでなく、横罫や方眼、To Doリストなど、12種類のフォーマットが用意されており、メモする内容によって選べる。既存のフォーマットのほかにも4種類のフォーマットを自由に追加することも可能。
ノートはタイトルを設定して検索できるほか、重要なノートについてはツールボックス内の星マークをタップしてタブをつけておくことで、タブがついたノートのみを探すこともできる。紙のノートのページ探しの難しさを解消するための機能だ。
ドキュメント機能では、保存したPDFファイルに直接メモを記入できる。資料を基にプレゼンテーションを受けたりする際などに便利な機能だ。
カレンダー機能では、日付ごとに手書きのメモを書きこめる。この画面で枠線の中に文字や絵によるメモが一気に閲覧できるほか、ノートを日付に紐づけ、日付をタップすることでそのノートを開いたりもできる。
そのほか、フロントライトを搭載しているので、暗い場所でも利用できる。明るさと色温度の調整もできる。バッテリーは1日1時間の使用で7日間程度持つという。
Micro USB端子と、microSDカードスロットを備え、無線LANの接続も可能。ウェブブラウザーの閲覧などはできないが、Dropboxでのデータ連携と、ソフトウェアアップデートが行なえる。
サイズは132(W)×175(D)×9.8(H)mm、重量は240g(ペン含む)。スタンドとしても使えるブラウン、グレー、ブラックの専用カバーも販売する。
12月4日に開かれた本製品の発表会では、その場でMakuakeのプロジェクトを開設。目標金額500万円で、支援コースは3万2000円から。支援のリターンはフリーノ本体+専用カバーで、すべてのコースで同様だが、人数限定で割引価格で製品を入手できるようになっている。
フリーノの通常販売予定時期は2020年5月ごろを予定している。販売想定価格は、本体が3万円台後半、カバーが3000円程度を予定している。
なお、現在の製品は開発中で、通常販売時の仕様とは異なる場合がある。クラウドファンディングによるユーザーの声も取り入れ、さらなる改良を施すとのこと。
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