スシローが年末の寿司で常識を変える
回転寿司チェーン「スシロー」が、「歳末100円まつり 第一弾」を12月4日から開催するのは既報の通り。1皿100円でおいしい寿司が食べられるなんてすてき、ウフフ、大とろにしようかしら、旬のブリもいいわネ……などとウキウキしている人もいらっしゃるでしょう。
しかし、スシローは、さらなる奥の手を持っていたのです。12月4日から、「匠の一皿」シリーズより、「えび天チリチーズ」「真鯛のからすみにぎり」「創作いかソウルにぎり」の3つが登場します。
匠の一皿は、ジャンルの異なる4名の料理人を招き、新メニューを毎月作り上げるというプロジェクト。回転寿司の常識を変える、新しい定番となるメニューを作ることをめざすとうたいます。
えび天×チーズ、真鯛×からすみ、いか×コチュジャン……。スシローに現れた斬新なタッグたちは、どのような味のツープラトンを見せてくれるのでありましょうか! さあ! ここは寿司のワンダーランド、ネタがゴスペルだ、シャリがバラードだ! まさに海鮮たちの夢のコンサートであります!
ちょっとテンションの上げ方が古かったかもしれません。さっそく食べてみましょう。
えびのサクサク感とチリソースが絶妙
「えび天チリチーズ」
「えび天チリチーズ」は、「中国菜エスサワダ」澤田州平氏が考案した一品。150円。
サクッと揚げたえび天に、澤田氏特製のチリソースをあわせています。上にのせたチーズは、店内でさっと炙っているという一工夫も。
これ、筆者的にはイチオシです。えびとチリソース、いわれてみれば“エビチリ”なので、相性はばっちり。ピリ辛のチリソースは、辛すぎることもなく、苦手な人でも安心の味付け。サクサクした衣の食感も楽しい。
さらに、炙ったチーズの香ばしさが、えびによく合います。中華の発想だと思ったら、イタリアンだった。成都だと思ったらナポリだった、みたいな感じでしょうか。……なんだかわかりにくくなってしまった気がしますが。
上にのせているバジルの香りも絶妙なアクセントになり、えびとチーズの味をキリッとまとめます。「ほんとうにおいしいのかな」と戸惑う人もいらっしゃるかもしれませんが、実によく考えられているのです。幅広い層から人気が出そうな、楽しい一皿といえます。ぜひ!
※一部取り扱いのない店舗があります
上品な塩辛さでお酒もすすむ
「真鯛のからすみにぎり」
「真鯛のからすみにぎり」も、「中国菜エスサワダ」澤田氏の手によるものです。300円。
天日干しで風味ゆたかに仕上げたという本からすみに、毎朝店舗に生のまま届けられる真鯛をあわせた寿司。昆布茶で旨味を加えています。
真鯛のほどよい甘味と、ねっとりとした舌触りに、キリッとした塩味のからすみが活きています。それだけだと、ちょっと塩気が強いかな……と思うところに、昆布茶の旨味がみごとなフォロー。このバランス、よく練られています。
からすみの塩気があるので、醤油は、軽く垂らす程度でオーケー。真鯛の味わいを楽しむため、あえて醤油はつけない、という食べ方もアリですね。
うーん、上品。小料理店で、こんなお通しが出てきたら、グッときてしまう。日本酒などに合いそうな、粋な寿司です。気の利いたおつまみ感覚でも楽しめるでしょう。
韓国風の気の利いた創作寿司
「創作いかソウルにぎり」
「創作いかソウルにぎり」は、スパイスと食材を使いこなし、多種多様な料理を提案する京都の「ブランカ」吉岡哲生氏が考案。150円。
イカソーメンをごま油などで味付けし、コチュジャンをあわせた創作寿司。さわやかな大葉と、パリッとした韓国海苔の、2種類が1皿にのっているので、食べ比べもできます。
イカの歯ごたえとコチュジャンの辛味は、相性ばつぐん。ごま油の香りもぴったり。悪かろうはずがない組み合わせというやつですね。お酒のあてにもぴったりといえるでしょう。
ごま油とあわせてさっぱりとした後味になる大葉、塩気が効いてコチュジャンの香りが引き立つ韓国海苔、どちらも魅力的です。イカの食感とあわせると、大葉と韓国海苔、それぞれ歯ざわりが異なるので、かなり違った表情を見せてくれます。
コチュジャンの風味とごま油の香りに負けないイカの甘味があるからこそ、成立する味わいともいえます。ネタの鮮度に自信をもつスシローらしい、韓国風の気の利いた創作寿司ですね。ちなみに、「創作いかソウルにぎり」は持ち帰り不可なので、そこは注意のほどを。
12月4日からスタートする、人気ネタが100円になる「歳末100円まつり 第一弾」、そしてスシローならではの組み合わせが楽しめる「匠の一皿」新シリーズ。年末にお寿司を食べたい人、ぜひスシローをチェックしてみてください!
※記事内の価格表記は「税抜」です。
モーダル小嶋
1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。
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