日本企業からの調達は7210億円に
後段のパネルでは、現代中国研究家 日本国際問題研究所客員研究員の津上俊哉氏が、“排除”という米国の政策について「関税よりも有害、経済を萎縮させる効果がある」と批判。「電子部品および機器製造」はサプライチェーンを含む間接的効果で5割強を占めるが、「日本の電子デバイス産業は10年後に2分の1に衰退するのでは」とも予想した。
日本企業との協業は単なる調達にとどまらないようだ。ファーウェイ・ジャパンで渉外・広報本部の本部長を務める林嘯氏は、日本のあるパートナー企業とは屋外基地局の軽量化を進めるため、軽量小型化、薄型化を実現しつつ耐腐食性のある合成素材を開発したと明かす。それまで25kgあった基地局の重さはそれ以下に。2人で抱えていたのが、1人で作業できるようになったというから、コストの面でもたらすメリットは大きい。
根拠は、安全問題について中国企業は中国政府に協力しなければならないという法律だ。この点について、ファーウェイの林氏は、データは通信事業者のものでありファーウェイは所有できないこと、3GPPなどの団体のセキュリティー関連の標準などに準じていること、そして1000億ドル企業として各国のビジネスの常識に外れることをやる意図はないなどと回答した。
さて、当の米国だがエンティティリスト入り企業の猶予延長を行なったばかり。一方で、米連邦通信委員会は、Universal Service Fundを使ってのファーウェイとZTEの機器の購入を禁じる決定を11月22日に発表した。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
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