内容量を増やしたら
売上げが減った!?
土屋さんは2011年のデミタスシリーズのデザインリニューアルを担当。
土屋さん「2011年に缶の形状も含めてデミタスシリーズのデザインを一新したのが印象的です。デミタスシリーズの世界観をコーヒーの味だけではなく、デザインからも感じてもらいたく、上質感を追求しました」
歴代の担当者がデミタスシリーズをより良いものにしていこうという想いで開発に携わり、今につながっています。
土屋さんからは、「デミタスシリーズの重要なポイントのひとつはやはり“容量“だ」と再認識した、こんなエピソードも。
「2009年のカフェ・デミタスは、それまでのデミタスシリーズより実はちょっと容量が多く、190mlサイズで出しました。小容量サイズのデミタスシリーズですが、一部から“もっと量が欲しい”という声があったので開発しました。が、意外にも販売は振るわなかったです。この結果を受けて、デミタスシリーズはやっぱり“小容量でこの味わい”というのが支持されているのではないかと、あらためて気がつかされました」(土屋さん)
デミタスシリーズ27周年をケーキでお祝い
イベントが開催された11月20日は、初代デミタスシリーズが販売開始された日。トークセッションがひと段落ついたところで、司会の梅垣さんが「ところで今日は何の日でしょうか?」と切り出しました。「そうか、息子の誕生日か」と宮本さん。
デミタスシリーズの誕生日をお祝いするビッグサイズのケーキ。宮本さんと土屋さんが一緒にロウソクを吹き消しました。カットしたケーキは参加者にふるまわれましたよ。甘さ濃厚なケーキは、個人的に「デミタス微糖」か「デミタスコーヒー」にぴったりでした。
デミタスシリーズは年々進化
今年の注目は「ラテ」
ケーキの登場で盛り上がったあとは、デミタスシリーズ新商品(2019年)の中味とパッケージ開発を担当したマーケティング部 松島さんによる、缶コーヒーの豆知識講座。
デミタスシリーズは全商品“プレミアム豆”を使用。プレミアム豆とは、全国コーヒー飲料公正取引協議会にプレミアムと呼ぶことが認められたコーヒー豆のこと。
コーヒー豆の格付けには、生産国別にグレードを設定されていて、コーヒーの価格が区分けされます。いわゆる高級豆と言われているのは、ブルーマウンテンやキリマンジャロ。
コーヒーの世界は深いものですね。缶コーヒーというと、喫茶店などで提供される“カウンターコーヒー”とは違う、という先入観があるかもしれませんが、豆を厳選して焙煎、ブレンド、抽出する工程は缶コーヒーもカウンターコーヒーと共通しています。
デミタスシリーズの中でも今年の注目のひとつは新発売の「デミタスラテ」だそう。ミルクもコーヒーも濃厚で、深みを極めた味わいとうたう一品。豆量1.5倍でプレミアム豆を中心としたブレンドのコーヒー。そこに、牛乳と生クリームを加えてブレンドすることで、デミタスシリーズらしい大人の上質なコクが楽しめるカフェラテに仕上げたそう。
記者もデミタスラテを味わってみました。ラテというと甘さがもたれそう、という先入観がありましたが、このデミタスラテは甘さ控えめ。ミルク感が濃く、それでいてコーヒーの風味も豊かです。デミタスシリーズをふだん飲んでいなくても「甘さ控えめなラテが好き」という方にはハマるんじゃないかと思いました。
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