Windows Virtual DesktopとCitrix Cloudの組み合わせで実現できること
ビジネスを加速するVDIを目指すシトリックスとマイクロソフト
2019年11月22日、シトリックス・システムズ・ジャパンはクラウド環境のVDIに関する発表会を開催。仮想デスクトップサービスであるWindows Virtual DesktopとCitrix Cloudを組み合わせることで、どのようなメリットがあるのか。マイクロソフトとシトリックスの双方から解説が行なわれた。
変わりつつあるVDIのニーズとクラウド時代のVDI
長らくデスクトップの仮想化技術(VDI)を手がけているシトリックス。近年は、Windowsのデスクトップ環境をネットワーク経由で提供するオンプレミス向けのサーバー製品から、クラウドVDIへのシフトを推進している。
シトリックス・システムズ・ジャパンの小林伸睦氏は、VDI市場のニーズが大きくシフトしていることを指摘する。以前はIT部門が主導でセキュリティや端末管理の効率化が中心だったが、「コラボレーション」や「働き方改革」、「顧客エンゲージメント」などのキーワードがVDIへの期待として顧客から出てくるようになってきたという。小林氏は、「ビジネスを加速させるためのVDIにシフトしている」と語る。
その点、シトリックスはオンプレミスの時代からマイクロソフトと協業しており、RDS(Remote Desktop Service)に付加価値を提供してきた。これはクラウド時代でも変わらず、Windows Virtual DesktopとCitrix Cloudを組み合わせることで、こうした新しいVDIのニーズに応えるという。
Windows Virtual DesktopとCitrix Cloudの連携
続いて登壇したマイクロソフトジャパン マーケティング&オペレーション部門のAzureビジネス本部 佐藤壮一氏は、Azure上の仮想デスクトップサービスである「Windows Virtual Desktop」について紹介した。
9月30日(米国)に一般公開となったばかりのWindows Virtual Desktopは、WindowsとOffice 365をAzure基盤上で提供するクラウドVDI。Windows 10をマルチセッションで利用できる点が最大の特徴で、Office 365 ProPlusに最適化される点もアピールポイントとなる。グローバルにデータセンターとネットワークを持つAzureを基盤とすることで、高い信頼性やスケーラビリティを実現しているのも大きなメリットだという。
オンプレミスと異なり、最大セッション数に基づき自動的にスケールできるのもクラウドのメリット。「週末にマシンを落としたり、期末に増やすということも容易に行なえる」(佐藤氏)。また、アプリケーションとワークプレースをどちらもAzureに実装することで低いレイテンシを実現するほか、GPUなどハードウェアもアップデートされるため、最新のCAD環境を利用できるのもメリットだ。
このWindows Virtual Desktopにコントロールプレーンとして付加価値を提供するのがCitrix Cloudになる。Windows Virtual DesktopにCitrix Cloudを組み合わせることで、管理、セキュリティ、オートスケールなどのメリットを提供する。
では、具体的にどのようなメリットが提供されるのか? たとえば、Windows Virtual DesktopはPowerShellやAPIベースでの管理になるが、Citrix Cloudでは直感的なGUIにより、VDIのライフサイクル管理やリソース制御、きめ細かいセキュリティポリシー適用などが可能になる。また、インターネット分離を構築しているユーザーにおいては、Express Routeを経由してAzureに接続することで、インターネットにつながずにWindows Virtual Desktopを利用できるという。さらに、エンドツーエンドのパフォーマンス可視化やログイン時間の詳細も可視化することが可能になる。
また、仮想化環境でMicrosoft Teamsを利用するにあたっては、シトリックスの最適化技術が利用でき、VDIのリソース消費を抑えることで、音声や動画を多用する会議においても優れたUXを提供するという。
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