単なる懐古趣味じゃない!
昔を知ることで今を知れるイベント
年に一度のクラシック・レーシングカーの祭典「SUZUKA Sound of ENGINE」が今年も開催! 「6輪タイレル」の愛称で親しまれている伝説のF1マシン「ティレルP34」をはじめ、さまざまなクラシックカーとオートバイ、そして現代を代表するスーパーカーが鈴鹿山麓に素晴らしいエキゾースト・ノートを奏でました。
「SUZUKA Sound of ENGINE」は、鈴鹿サーキット50周年記念イベントとして2012年に過去の名勝負を演じたマシンたちを集めた祭典「鈴鹿サーキット50周年アニバーサリーデー」を元に、2015年から毎年行なわれているイベントです。早速今年の様子をレポートしましょう。
80年代~90年代前半に人気を博したグループCカー
「SUZUKA Sound of ENGINE」では、80年代~90年代前半に人気を博したグループCカーも登場。レース距離に応じ総燃料使用量を規制するものの、全長4800mm以内、全幅2000mm以内、最低重量800kg、燃料タンク100リットル以下のクローズドコクピットなら排気量は自由というグループCカー。世界3大レースの1つ「ル・マン24時間レース」がシリーズ戦(WSPC/世界スポーツプロトタイプカー選手権)に組み込まれていることもあって、自動車メーカー各社がこぞってこのカテゴリーに参戦。日本からはトヨタ、日産、そしてマツダが参戦。中でもマツダはロータリーエンジンを武器に、日本車初となるル・マン24時間レースを制覇しました。
当日は、トヨタ製グループCカーとしては初のル・マン参戦を果たしたTOYOTA TOM'S 85C-L、日産のル・マン初挑戦マシンであるR86V、そして日産グループCカーの完成形で、92年のデイトナ24時間レースを制したR91CP、もっとも成功したグループCカーで「耐久の王者」の名を欲しいままにしたポルシェ962C、そしてマツダ初の4ローターエンジン搭載の767B、そして栄光のル・マン初制覇モデル787Bによる模擬レースが行なわれました。
中でも注目はマツダ787B。「天使の咆哮」とも「天使の絶叫」とも喩えられる甲高いロータリーサウンドが響き渡ると、スタンドからは喝采の声が。アスキー的には過去に発行していたPC雑誌「ログイン」のロゴが貼ってあるのがポイントなのですが、これはチャンピオンになった55号車じゃないので残念ながらナシ。
さらに3.5リットルV8ツインターボの低い低音が特徴のR92CVや、956Cのフラット6、85C-Lの直4サウンドなどが混ざり合わさったサウンドは、今のモータースポーツシーンでは聴くことができない官能的なシンフォニー。当時はテレビ朝日でル・マン24時間の生中継があり、それを観ていたなぁというようなノスタルジックな思いに誰もが浸ったことでしょう。
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