週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

20年の時を経て復活した、現代のTRITON:

「KORG Collection - TRITON」DTM初心者にもおすすめ

2020年01月16日 14時00分更新

文● ASCII
提供: コルグ

Win/Macを問わず、パソコンで音楽を作りたい人におすすめしたいソフトがコルグから2019年12月26日に発売となった。伝説のシンセ「TRITON」を再現し、4000を超えるサウンドプリセットを収録。アルペジエーターを使えば即戦力のフレーズが量産できる。トラックメイクに必要な材料がすべてそろったスゴい1本だ。

KORG Collection - TRITON
セール価格1万9900円(通常価格2万4900円)
コルグ

https://www.korg.com/jp/products/software/korg_collection/triton.php

 アンゴルモアの大王が降りてくると予言された1999年。コルグは「TRINITY(トリニティ)」の後継機として、サンプラー内蔵のワークステーション「TRITON(トライトン)」をリリース。当時主流の44.1kHzより高い48kHzでサンプリングされたPCM音源と、そのまんま使えるプリセットを武器にクリエイターの即戦力となり、数々の名曲、名演が世に送り出された。そのおかげかどうかは定かでないが、人類は滅亡に至らず無事に21世紀を迎えたわけである。

 そんなあれこれをご存じない方のために分かりやすく言うなら、アニメ『けいおん!』の琴吹紬が使っていたキーボード、あれがTRITONである。あの楽器のチョイスを見て、このアニメは信用できるぞと思ったものだが、これも話が長くなるので戻そう。

 さて、前世紀末の発売から20年。満を持してソフトウェア・シンセサイザーとして復活したのが、この度の主役「KORG Collection - TRITON」なのである。ソフトウェア化されたTRITONは、Mac/Windows対応のアプリケーション、およびDAWに対するAU/VSTプラグインとして動作する。シルバー基調のパネル、グレーのボタンやノブ、そして液晶表示も含めて克明なグラフィックで再現する凝りようは、これまでのコルグ製ソフトウェアとまったく同じ。

 もちろん内部回路や音色も徹底的に解析され、4000を超えるプリセットサウンドも当時のまま。ソフトウェア化にあたっては、パソコンでも使いやすいようにと、音作りに関わるパラメーターを1画面にまとめた「EASY」モードが新設されている。

新設された「EASY」モード。シンセの各モジュールやエフェクトが一覧でき、エディットしたいパラメーターへ素早くアクセスできる

 通常価格は2万4900円。決して安くはないが、もとよりワークステーション向けに開発された音源である。もしあなたがDTM初心者なら、これ1本でトラックメイクに必要な材料が揃うから、当座の間は他の音源ソフトが欲しいなどという邪念が起きにくい。よって結果的にお買い得となるはずである。

 お買い得といえば、オリジナルでは別売りだった拡張音源ボード「EXB-PCM」シリーズを全8種収録というのも太っ腹。発売当時のTRITONは約23万円、ボードは1枚1万円ほどだったから、前世紀末を生きた者の中にはボードはおろかTRITON本体も買えなかった悲しみを抱えて今に至る者も多い。そんな想いを果たせなかった往年のシンセ小僧から現代の初心者まで、現役のDAW野郎なら必携と言えるのがこのソフトなのである。

 ちょっと強引に言い過ぎた。しかし、そんなTRITONとはどんなシンセだったのだろう。そしてソフト化にあたってこだわった箇所はどこなのか。コルグの開発チームに、ちょっとだけ訊いてみたのである。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう