東京・六本木の21_21 Design Sightで開催されているインスタレーション「COMMA」では、トレンド予測のパイオニアであるヴィッチ エデルコートをコラボレーターとして迎え、グーグル ハードウェアデザインスタジオがプロデュースした空間を10月27日まで展示しています。
会場にはグーグルのハードウェアデザインの哲学、世界観を表現する展示品の一部として、なんと「製品には採用されなかったPixel 4の試作品」や「手描きのデザイン画のホンモノ」が惜しげもなく展示されているので、ASCII的視点では見逃せないインスタレーションなのです。
インスタレーションのテーマを案内から引用すると
"「COMMA」とは、間があること、思考すること、詩的になること、そして人とのつながりなど、誰の日常にもある “間” を捉えたものです。いかにテクノロジーが人々の暮らしに溶け込み、この “間” を味わう日常の調和となるかを抽象的に探求し、人々の生活に寄り添った役に立つデザインを目指す Google ハードウェアのデザイン哲学を「COMMA」の空間を使って表現します。"
とのこと。
先立って来日した、グーグル ハードウェア部門のバイスプレジデント アイビー ロス氏が「Pixel 4はハイエンドなスマートフォンなのに、なぜ値段に相応した高級感を感じさせるデザインにしなかったのか?」という質問に対して
「これまでは高価格帯の製品は、きらびやかでピカピカしていたかもしれませんが、高級だからといって必ずしもシャイニーなデザインにする必要はないと考えています。デザイン言語、アプローチとして、違ったものを思考します。ハードウェア製品は後発ということもあり、グーグルらしさ(ポップで楽観的)をデザインでアピールしています」と、既存の製品イメージにとらわれない発想にあると答えました。
「グーグルのデザインと言えば、これまでは検索やブラウザーなどでしたが、いまは手に取ることができる、物理的なオブジェクトに発展してきました。私たちのデザインスタジオにはエレクトロニクス、アパレル、ファッション、家具、自転車とさまざまな経験、背景を持つ才能あふれるメンバーが、所属しています。手のなかで感触としてしっくりくる、人間味や質感など、五感に訴えるデザインに関心があります」というロス氏の言葉を裏付けるように、COMMAはモノのカタチや手触り、色を再認識させるような展示です。
「テクノロジー製品は日常とかけ離れた存在ではなく、むしろ暮らしに溶け込んでいくこと」を体現するかのように、ヴィンテージの布地や工芸品、和や洋の生活用品とPixel 4やNest Hub Maxが、違和感なく一緒に配置されています。
会場を回ったあと、Pixel 4をはじめグーグルのハードウェア製品が、高付加価値な製品でありながら従来のステレオタイプなきらびやかなデザインを選択しない理由のなかに、グーグルの考えるテクノロジー製品は「特別なモノ」ではなくもっと日常に寄り添った位置づけにしたいのだな、と感じ取れました。
●開催概要
日時:2019年10月20日(日)〜27日(日)12時~19時
※開催時間は予告なく変更する場合があります。
主催:Google
会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3
東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
入場料:無料
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