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PhotoshopやDaVinci Resolve 16での動作をチェック

スタンダード+α、MX250で写真・動画編集の効率も上がる高コスパノートPC

2019年10月26日 10時00分更新

「m-Book K700シリーズ」

 マウスコンピューターの「m-Book K700シリーズ」は、第9世代のCore i7-9750HとGeForce MX250を搭載し、汎用性の高い構成ながら11万3080円から購入できるコストパフォーマンスの高い15.6型ノートパソコンだ。

 前回は、各種ベンチマークテストを実施してパフォーマンスを確認したが、今回は実際の使い心地をチェックしてみた。用意したのは「Photoshop」「Photoshop Lightroom」「DaVinci Resolve 16」の3つだ。どのソフトも仕事や趣味で利用されることが多く、自分でも普段から使っているソフトである。

まずはGeForce MX250が動いているかチェック
NVIDIA コントロールパネルから設定変更可能

 まず最初に注意点が1つ。m-Book K700シリーズにはGeForce MX250が搭載されているが、常にGeForce MX250が動作しているわけではない。Core i7-9750Hには「インテル UHD グラフィックス 630」内蔵されており、そっちが動作していることもある。消費電力的、発熱的に常時ハイパフォーマンスを出すわけではなく、必要なときにだけGeForce MX250を使用していると思われる。実際にGPUの性能が必要なゲームベンチやベンチマークテスト実施中にタスクマネージャーを見ていると、GeForce MX250が動作しているのが確認できている。

 試しにPhotoshopをインストールして、動作確認のためにタスクマネージャーを見ていたところ、GeForce MX250があまり動作していない様子だった。環境設定のパフォーマンスをチェックしたところ、やはりGeForce MX250が認識されていないようでCPU内蔵GPUを使う設定になっていた。Photoshop Lightroomでも同様に確認したところ、こちらも内蔵GPUが設定されている状態だった。

Photoshopでは、GPUが有効になるのはまだ一部のフィルターだけなので、特定のフィルターを使って動作状態を確認してみたところ、GeForce MX250があまり動作していない感じだった

Photoshopの環境設定でパフォーマンスの項目を確認、グラフィックプロセッサーの設定ではCPU内蔵GPUが選ばれている

こちらでもGPUは内蔵のほうが認識されている

 もしやと思い「NVIDIA コントロールパネル」を開き「3D設定の管理」から「グローバル設定」をみると、「統合型グラフィックス」になっているのが確認できた。

グローバル設定の項目を「自動選択」、もしくは「高パフォーマンスNVIDIAプロセッサ」に変更する。もしくはとなりの「プログラム設定」で直接アプリを指定してGeForce MX250を利用する「高パフォーマンスNVIDIAプロセッサ」を割り当てる

これで2つともにGeForce MX250が認識されるようになった

PhotoshopのフィルターでGeForce MX250が動作しているのが確認できる

 設定を変えると、PhotoshopとPhotoshop Lightroomの両方ともにGeForce MX250を認識するようになった。PhotoshopやLightroomでは、基本的に一部のフィルターの描写や現像や書き出し時にそのフィルタを使ってると効果を発揮するようだが、今回試した感じではGeForce MX250の動作率もそれほど上がるわけではなく、負荷は高くないと思われる。

 今回確認に使ったフィルターがぼかし系というのもあって、3D処理等になるとまた違ってくるかもしれないが、普通に使う分には内蔵GPUよりも描写がスムースに感じられるくらいだった。それでも効果のプレビューが即座に変わるので、あるとないとではかなり効率は変わってくるだろう。

 もしかしたら統合型グラフィックになっていたのは操作ミスでなっていた可能性もあるが、ほかのマシンでもPhotoshopやLightroomを使っており、動作がもっさりしているなど感じたらチェックしてみるといいだろう。

GeForce MX250でプレビューなどがしっかり早くなる

 Lightroomで書き出し時間の計測を実施してみた。パソコンのレビューをする際はほぼ同じ条件で実施しているRAW現像の書き出し時間の計測だ。2400万画素のデジカメで撮影したRAWデータを補正なしでそのままPSD形式16Bitで書き出す時間を計測したところ、約24分6秒ほどかかった。これはモバイル向けCPUとはいえ高性能なCore i7-9750Hにしてはちょっと時間がかかったなというイメージ。おそらく原因はストレージにあると思われる。今回の試用機には256GBのSSDを採用しているが、SATA接続なので書き込みの待ち時間が生じている。

書き出し中の様子をタスクマネージャーで確認してみるとストレージの動作が上がったり下がったりしており、それに合わせてCPUも上下している

 m-Book K700シリーズと同じCPUを採用していて、より高速なNVMe接続のストレージを採用している機種では半分の時間もかからずに終了できていたので、ストレージの書き込み待ちが発生して全体の処理時間が伸びていると思われる。CrystalDiskMarkでストレージの性能を確認したところ、SATA接続としては十分な速さがあることがわかるのでLightroomの処理にCPUは十分でもストレージ性能が必要なのがわかる。

ストレージの性能をたしかめるべくCrystalDiskMarkで計測したところ、SATA接続としてはけっして遅くはない結果になった

 次は動画編集ソフト「DaVinci Resolve 16」での動作確認。こちらはNVIDIA コントロールパネルの設定が統合グラフィックのままでもGeForce MX250が認識されていた。

「DaVinci Resolve 16」では初期設定のままでもMX250が認識されている

カットのつなぎ目にワイプエフェクトを入れてみるとプレビュー動作時にGeForce MX250が機能しているのがわかる

 デジカメで撮影した30秒ほどの4K動画を繋いで約10分の動画に編集、プリセットにあるYouTube用の設定でサイズをフルHDにして形式をmp4で書き出しを実施。約10分の動画の書き出し時間は約10分34秒ほどで、実時間とほぼ同じ時間で書き出しが終了した。

書き出し処理でGeForce MX250が機能しているのが確認できる。稼働率は上がっても50%弱なので負荷としてはそれほどでもないが、エフェクトを多用すればもっと稼働率が上る可能性はある

 Lightroomでの書き出しはストレージの書き込み速度がネックになっているが、処理操作そのものはPhotoshopも含め軽快にできるといっていいだろう。グラフィックの設定でGeForce MX250を有効にするための手順はあったものの、プレビューの速度は内蔵GPUで稼働しているよりも格段に早くなっているのが確認できたのはむしろよかったといえる。

 DaVinci Resolve 16での操作は、これといって問題を感じることはなかったが、タイムラインに表示されるプレビューがワンテンポ遅れるのと、書き出し処理をしているときにもプレビューまでは手が回らない感じで、タイムライン上のサムネイルが表示されないことがあった。しかし、実際の編集作業ではちゃんと表示されるので、問題になるほどではないだろう。ストレージ速度もダヴィンチでの書き出し処理なら問題になることはない感じだ。

 もしも写真編集を重視したいなら、ストレージ容量は256GBのままNVMe対応SSDに、さらに1TB HDDも搭載しメモリーも16GBに増設された「m-Book K700SN-M2SH2」が13万5080円とお買い得感があるので、選択肢にしてもいいだろう。

 256GB SSDでは動画編集を考えるとちょっと少なく感じたが、基本構成のままでも静止画や動画編集等、幅広い用途で使えるようになっている。またリーズナブルなノートパソコンでありがちな低品質なディスプレーとは違い、IPSパネルを採用しているので上下左右に多少ずれても明るさや色、コントラストの低下がなく快適に観れるのも大きい。m-Book K700シリーズは、お買い得感のある価格設定でも確実にできることが多い、使い勝手に優れたノートパソコンだ。

試用機の主なスペック
機種名 m-Book K700BN-M2S2
CPU Core i7-9750H(2.6GHz)
グラフィックス GeForce MX250
メモリー 8GB
ストレージ 256GB SSD(SATA/M.2)
ディスプレー 15.6型(1920×1080ドット)
通信規格 無線LAN(IEEE802.11 ac/a/b/g/n)、Bluetooth 5.0
インターフェース USB 2.0端子×1、USB 3.0×1、USB 3.1(Type-A)×1、USB 3.1(Type-C)×1、HDMI端子×1、Mini DisplayPort×1、ヘッドフォン出力端子×1、マイク入力端子×1、SDカードスロット
サイズ/重量 およそ幅361×奥行258×高さ24.9mm/約1.2kg
OS Windows 10 Home(64bit)
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