Synologyは10月15日、メディア向け発表会「Synology 2020 Tokyo」を開催した。本発表会では、同社のNAS用OS「DiskStation Manager(DSM)」の最新バージョンであるDSM 7.0や、同OS上で動作する新たな写真管理アプリ「Synology Photos」などについて紹介した。
同社では、「ユーザーの能力開花」の支援に力をいれ、DSMをゼロから再設計したとのこと。DSM 7.0では、ユーザーエクスペリエンスの向上を目指し、よりスムーズな操作が可能になるようにしているという。
会場で実施したデモでは、ネットワーク越しのログイン時間を、従来のDSM 6.2と7.0とで比較。実際にデスクトップが表示されるまでの時間が10秒以上高速化していた。
また、各アプリを開く際は、マウスオーバーした時点でバックグラウンドで起動処理を開始。それにより、アプリの起動時間を短縮するなどの改良が加えられているとのこと。
また、SSDキャッシュのメカニズムを変更。キャッシュされるデータを64KBのブロックベースでチェックするようにし、これまで直近のアクセス時間で判断していたものを、より多くの判定材料でキャッシュするように変えたことで、ヒット率とスピードの向上を実現しているという。
さらにDSM 7.0からは、SSDキャッシュの実装がサービスを停止することなく行なえるようになり、業務への影響を最小限に留めることが可能となっている。加えて長い時間アクセスされていない「コールドデータ」のメタデータをSSDキャッシュに保存することで、従来に比べてこうしたデータに対するアクセス速度が落ちにくくもなっているという。
そのほか、リソースモニターの改良により、従来より細かい時間軸でパフォーマンス履歴を確認できるようになっており、トラブルが起きた際などにも、正確にその時間を正確に割り出せるなどといった改良がされている。
また同社のDSM上では、これまで写真管理アプリとして「Photo Station」と「Moments」を提供していたが、DSM 7.0からはこの2つを統合し、「Synology Photos」として提供することを発表。
Synology Photosでは、NAS上への写真アップロードやサムネイルの表示を3倍以上高速化するとのこと。管理や検索、シェア機能も強化している。
またSynology Driveも3.0にアップデートし、「オンデマンド同期」が2.0にバージョンアップしたことで、WindowsだけでなくmacOSにも対応する。DSM 7.0は、2020年の第1四半期中に正式版をリリース予定としている。
なおハードウェア面については、エンタープライズ向けの新製品についてのロードマップを紹介した。
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