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これぞ、高コスパ完全ワイヤレスイヤホンの新定番になるか?

手軽でいい音、オウルテック「Samu-SE04」の魅力を徹底レビュー

2019年10月30日 11時00分更新

最新Bluetoothチップ採用で長時間再生と高音質を実現

 まず注目したいのが、完全ワイヤレスイヤホンの性能を大きく左右する、Bluetoothチップだ。この価格帯では珍しく、クアルコムの最新チップ「QCC3026」を搭載しているのが特徴。QCC3026を採用したことで、Samu-SE04が得た特徴は大きく3つある。

 ひとつめは「高音質」だ。Bluetoothコーデックは一般的なSBCに加え、AACや、低遅延で圧縮率が低いaptXも標準でサポートする。またBluetoothチップにはBluetoothの送受信だけでなく、アンプ機能も統合しており、ここの品質も高音質の実現には重要なポイントだ。

側面から見たところ。ステム(耳穴に挿入する軸の部分)はやや長めになっている。アンテナの感度面では耳から離れた方がいいので、その点を考慮しているかもしれない。

 ふたつめは「途切れにくさ」だ。完全ワイヤレスイヤホンは、左右をつなぐケーブルがない点が特徴。この状態で、ステレオ再生をするために、片側(親機)で再生機器からステレオの信号を受け、親機の内部で左右の信号に切り分けたうえで、もう一方(子機)に信号を送り直す動作が必要になる。しかしここが頭の痛いところで、完全ワイヤレスイヤホンの接続が切れやすい理由にもなっている。QCC3026などクアルコムのチップは、ここを改善する仕組みを持っている。

 まず「True Wireless Stereo」方式という標準のモードでも、左右で通信状況のいいものやバッテリー残量のいいものを自動で親機に選ぶ機能を用意している。

クアルコムによる、True Wireless StereoとTrue Wireless Stereo Plusの説明図。

 さらに、「True Wireless Stereo Plus」(TWS Plus)方式として、左右のイヤホンにスマホから直接データを伝送することも可能だ。この方式では、頭を挟んで左右のイヤホンが通信しないため、左右の音が鳴るタイミングがズレたり、音が途切れたりといった、完全ワイヤレスイヤホンならではの弱点を大きく改善できる。TWS Plusを使った接続は、「Xperia 1」など、SoCにSnapdragon 855を搭載したスマホの一部が対応している。環境を整える必要はあるが、これらの機種を利用している人はさらに安定した通信ができるわけだ。

 なお、非対応のスマートフォンやプレーヤーとの接続時は、TWS Plusが機能しないが、筆者の試した範囲でも、QCC3026非搭載の完全ワイヤレスイヤホンより途切れにくくなっている印象だ。特に完全ワイヤレスイヤホンが苦手とする、走行中の電車内や人混みの中でもほとんど途切れなかった。

操作はボタン式。タッチセンサーを利用する機種もあるが、確実に押せるという点で安心感がある。

 最後が「省電力」。これまでの完全ワイヤレスイヤホンといえば、1回の充電で約2~4時間程度、充電ケースと併用しても十数時間しか再生できないものが多かった。それが、本機では約9時間もの長時間再生に対応する。付属の充電ケースを併用すれば最大約54時間も再生が可能となった。スタミナ性能の面でも注目したい機種なのだ。

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