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kintoneが好きが講じて公式のオンラインコミュニティ担当に

サイボウズ松井隆幸は、いかにして「キンスキ松井」になったのか?

2019年10月17日 09時00分更新

 サイボウズとのミーティングで「社内にキンスキ松井というkintone芸人がいるんですよ」という話を聞いたのは、約半年くらい前だったか。kintoneが好きすぎて、個人でkintoneファンのためのメディア「キンスキ.com」を始めていたら、いつの間にか公認のオンラインコミュニティ担当になっていたサイボウズの松井隆幸氏、いやkintone芸人「キンスキ松井」に話を聞いた。(インタビュアー:アスキー編集部 大谷イビサ)

サイボウズの松井隆幸氏ことkintone芸人「キンスキ松井」

kintoneが目指しているつながる世界が好きだった

大谷:まずは松井さんがキンスキに至るまでの道のりを教えてください。入社からの経緯ですかね。

キンスキ松井:入社したのは2013年で、新卒入社でサイボウズに入りました。大学が情報社会学だったので、もともとITがやりたかったんです。EvernoteやDropbox、GoogleなどのクラウドをIFTTTやZapierでつなげるのが好きでした。

大谷:なるほど。わりとクラウドネイティブ世代。2013年であれば、kintoneも出てましたね。

キンスキ松井:そうなんです。今から考えれば、エコシステムの戦略を出し始めていて、いろいろなツールとつなげ始めた頃です。B2Cでつなげていたのと同じように、B2Bでもつながる時代が来るのかなと思って期待していました。だから、最初からkintone大好き(=キンスキ)ではあったんです。

とはいえ、入社以降はパートナー営業として、とあるOA商社さんを担当していて、サイボウズ Officeの販売を中心に手がけていました。その頃は「まだクラウド大丈夫?」というお客様も多かったし、kintone自体もパートナー販売はこれからだったので、正直苦しい時期でした。kintoneの会社に入ったけど、あくまで裏でkintoneをいじっている感じ。結局、2018年12月までパートナー営業やっていました。

大谷:じゃあ、半年前まではkintoneはメインの業務ではなかったんですね。

キンスキ松井:そうなんです。営業時代は、ひたすらkintone愛でサービス連携を試していました。JavaScriptは書けないので、ノンコード・ローコードでできる連携をひたすら触れていました。結果、kintone連携を語るのであれば、松井ともう一人といった具合になり、パートナーによるkintone販売が増えてきてから、自分の持っている知識が役立ち始めたんです。そこでキンスキ.comを始めました。

好きで始めたkintone向けのメディアが会社の仕事になった

大谷:改めてなんですが、そもそもキンスキ.comってなんですか?

キンスキ松井:kintone好きのためのWebメディアです。週に1度か、2度くらいの更新頻度で、開発なしでもできるkintone活用の情報を配信しています。

kintone好きのためのメディア「キンスキ.com」

大谷:いつくらいから始めたのですか?

キンスキ松井:2018年3月スタートで、最初はYouTubeから始めました。kintone芸人を目指してYouTuberとして始めたんですが、さんざんでした(笑)。母数自体が少ないし、そもそもコンスタントに作るのが大変だったので、早々にブログ中心の発信に変えました。でも、ブログも大変だったので、ラジオも始めました。それが去年の10月くらいですかね。

大谷:会社の仕事で始めたんですか?

キンスキ松井:いいえ。もともと営業時代にプライベートで始めました。とにかくkintoneが好きな人とkintoneを語りたかったんです。だから外に出てみました。

大谷:サイボウズの人としてやったわけじゃないんですね。

キンスキ松井:うーん。パートナー営業という立場だとちょっと違うんですよね。確かに、担当していたパートナーの中でもキンスキのような情報発信をやってみたんですが、1社なので人数に限界があります。だけど、僕の知っていることは役立つと思ったので、もっと多くのユーザーに届けたいなと。部署を変えてほしいという感じではなかったけど、そういうメディアもありませんでした。面倒くさいことは考えないで、とにかくやってみようと。

大谷:でも、結局はサイボウズ公認のお仕事になったんですよね。

キンスキ松井:はい。今年の1月にパートナー営業を卒業し、キンスキ専任になりました。現在の肩書きは「ビジネスマーケティング本部 第一プロダクト プロモーション部」になっています。とはいえ、外ではまったく伝わらないので(笑)、「サイボウズのkintone大好き松井です」と自己紹介しています。

大谷:公認の仕事にある意味“昇格”したのはどういった背景があったんですか?

キンスキ松井:キンスキの効果が見えてきたんです。爆発的にバズッたわけではないのですが、キンスキを見て活用しましたとか、キンスキのファンなんですって言ってくれる人がいたり、とにかくユーザーの声が出てきました。

あと社内から見ても、kintoneって導入後の情報が少ないんです。使いこなしだったり、定着のためのコンテンツだったり。

大谷:今で言うところのカスタマーサクセスですね。

キンスキ松井:そうです。イベントは多いのですが、それ以外の発信が少なかった。おそらく社内でもキンスキのような活動があったほうがよいのではという話もあったと思うんです。周りの後押しもあったし、私からも仕事としてキンスキできないかという話もイチオシしました。

大谷:kintoneって、料金体系的にアプリを作った方が得じゃないですか。使いこなさないともったいない。だから、定着や活用活動をきちんとすべきなんですよね。

キンスキ松井:そこにはすごく課題感がありました。kintoneってフィールド並べるのは簡単なのですが、システムとして作るのは難しいままなんです。でも、実際は単に部品を並べるだけではなく、バックエンドのロジックも作らなければならないし、業務改善やフローの整理も必要になります。これをノウハウのない人がいきなりやろうと思っても難しい。

大谷:その話ってkintone界隈の人にとってみたら、うなずき過ぎて赤べこですね。

キンスキ松井:もちろん、それって知っているユーザーもいるのですが、知らない人が圧倒的に多い。調べたときに、情報がないとみんな使うのをあきらめてしまうので、ほかのユーザーの考えを届けたいと思ったんです。

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