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DXR非対応のRadeonでもMinecraftの映像をレイトレーシングで劇的に変化させる方法とその効果に迫る

2019年10月21日 11時00分更新

パストレーシングでどの程度のパフォーマンスが出るのか?

 ざっとSEUS PTGI E10の描写力を見てきたが、やはりパストレーシングの処理は重いため、パフォーマンスにどの程度影響するか知りたいところだ。そこで今回はRyzen 7 3800Xをベースにした以下のような構成のPCを準備した。ビデオカードはRadeon RX 5700XTとVega56のリファレンスカード、比較対象としてはパフォーマンスが近いGeForce RTX 2070 SUPERと2060(ともにFE:Founders Edition)を準備した。ドライバーは検証時点で最新のAdrenalin 19.10.1と436.48を利用した。

【検証環境】
CPUAMD「Ryzen 7 3800X」(8コア/16スレッド、3.9~4.5GHz)
CPUクーラーCorsair「H110i」
ビデオカードAMD「Radeon RX 5700 XTリファレンスカード」、AMD「Radeon RX Vega56リファレンスカード」、NVIDIA「GeForce RTX 2070 SUPER Founders Edition」、NVIDIA「GeForce RTX 2060 Founders Edition」
マザーボードGIGABYTE「X570 AORUS MASTER」(AMD X570)
ストレージGIGABYTE「GP-ASM2NE6200TTTD」(NVMe M.2、2TB SSD)
電源ユニットSilverstone「ST85F-PT」(850W、80Plus Platinum)
OSMicrosoft「Windows10 Pro 64bit版」(May 2019 Update)

 Minecraftのパフォーマンスは周囲の状況やブロックの描画距離等に大きく左右される。そこで今回は下図のシーンに立った時のフレームレートを「Fraps」で計測した。最初に視線を360℃水平に回し、周辺のデータを一度メモリーに読み込ませた上でフレームレートを計測するようにしている。解像度は1920×1080ドットとし、グラフィック系の設定はデフォルトをベースに、SEUS PTGI E10の推奨設定に合わせている。

ベンチマークに使用した場所。前述の10周年記念マップを利用した

Minecraftのフレームレート。1点に静止し、それぞれの環境における安定値を採用した。ヴァニラだと600〜900fpsまで出てしまうので割愛している

 パストレーシングを使わないSEUS Renewedのフレームレートを基準とすると、SEUS PTGI E10を利用した時のフレームレートはおおよそ4割程度にまで落ちる。RTX 20シリーズの方が全体的に良好な結果を出しているものの、RX 5700 XTならばパストレーシングを使っても平均60fps程度で堪能できることがわかった。カードの価格差を考えたら、RX 57000 XTもそれほど悪い選択ではないといえる。

 RTX 20シリーズはDXRを専用ハード(RTコア)で処理できるのが売りだが、SEUS PTGIは専用ハードを必要としない。だからRadeon系でも利用可能、かつRadeonもGeForceもSEUS PTGI E10使用時のフレームレートの落ち込み方がほぼ共通なのだ。

まとめ:お買い得感のあるRX 5700シリーズでも楽しめるのは◎

 なぜSEUS PTGIではRadeonでもレイトレーシング(パストレーシング)ができるのか? と疑問に思うところだが、SEUS PTGIはGlobal Illumination実装に絞っていることに尽きる。導入した効果はすでに示した通り、普段のMinecraftの世界にかなりリアルなライティング効果が追加される。ただそれだけの影Modではあるが、Minecraftの楽しみ方をまた少し広げてくれる。RTX 20シリーズに比較してお得感のあるRadeon、特にRX 5700シリーズでも動くのは見逃せない。

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