RAW画像の保存場所としては実用的!
今度はクリエイティブな用途におけるNASの使い勝手を考えてみたい。そこで撮影したRAW画像の置き場所としての使い勝手を検証してみた。単純にDS620slim上にRAW画像を沢山コピーしておき、PC上のLightroom CCに画像をインポート。この時RAWの実体はDS620slim上に置いたままにしておくことで、C:ドライブの消費は最小限(カタログファイルのみ)に抑えられる。
ここでは約1100枚のRAW画像(6000×4000ドット、NEF形式)をライブラリに追加し、「写真」の一覧で一番下にスクロールするまでの時間と、「現像」で1枚1枚写真をプレビューする時間をそれぞれ計測した(ファイルコピーと同様に5回計測の平均値)。また、107枚のRAW画像を最高画質のJPEGに書き出す時間も合わせて計測した。
ファイルコピーではUSB3.0外付けや内蔵NVMe SSDにやられたDS620slimだったが、サムネールのスクロールやプレビューではまったく互角の勝負を見せた。
初回の処理速度はUSB3.0の外付けHDDとDS620slimは若干遅くなる傾向が見られたが、それがキャッシュに入る2回め以降はほとんど差のない速度が得られた。ただDS620slimにSSDを1基だけ組み込んだ状態では、若干処理速度が低下。DS620slimにSSDを複数組み合わせるメリットがここで確認できたといえるだろう。
RAWからJPEGへの書き出し速度についても同様の結果が見られた。内蔵NVMeに比べDS620slimは7秒遅い結果となったが、107枚中の7秒であるから、1枚1枚の処理速度の差は微々たるものだといえるだろう。
まとめ:単に蓄積するより、蓄積したデータをどう楽しめるかに比重を置くなら絶対にNASだ
データを保存するだけならUSB外付けストレージの手軽さに勝るものはない。しかしNASは、読み書きのパフォーマンスがLANのパフォーマンス次第な部分はあるものの、PCだけでなくスマホやタブレットなどとデータを手軽に共有する機能を手軽に追加できる。
さらに、SynologyのNASには保存したファイルのスナップショットを作成し、そのファイルを誤って上書き保存してしまった場合でも過去のスナップショットの時点に巻き戻す機能など、さまざまな付加機能を追加できる。
実売価格は6万4000円前後と高価だが、4ベイ以上のNASは妥当な価格。まして2.5インチ対応ともなると選択肢は少なく、ストレージが2台以上必要なRAIDを組んで使うことを想定し、できるだけ省スペースで使いたい人には魅力的な製品だ。手軽さはいいが、ネットワークを活用した複数端末からのアクセスなど、利便性に富んだ一歩進んだストレージの活用をしてみたい人は、DS620slimを導入してみてはどうだろうか。
(提供:アスク)
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