インテルは2019年10月8日、最新CPU「Xeon W-2200シリーズ」と新しい「Core Xシリーズ」を発表した。いずれも開発コードネーム「Cascade Lake」ベースの製品で11月に提供開始予定。新Core Xシリーズの情報自体は10月2日(米国現地時間)に出回っていたが、同社の情報サイト「Intel ARK」にもプレス向けのニュースサイト「Intel Newsroom」にも掲載されていなかった。そんなわけで、今回のニュースリリースが正式な発表ということになる。
Xeon W-2200シリーズはワークステーション向けの製品で、新しいCore XシリーズはハイエンドデスクトップPC(HEDT)向けとなるが、いずれもインテル ディープラーニング・ブーストを統合したAIアクセラレーションに対応。これにより、AI推論の速度が前世代の製品と比べて2.2倍向上しているという。
また、新Core Xシリーズに関しては新しい価格体系を導入しており、最上位の18コア/36スレッドモデルで言えば、1000個ロットあたりの希望カスタマー価格は前世代では1999ドルだったのが979ドルと、半額以上安くなっている。1コアあたりの価格を大幅に下げることで、競合であるAMDのHEDT向けCPU「Ryzen Threadripper」に対抗するという構えだ。
それではラインアップと主なスペックを紹介しよう。
Xeon W-2200シリーズはW-2295(18コア/36スレッド)、W-2275(14コア/28スレッド)、W-2265(12コア/24スレッド)、W-2255(10コア/20スレッド)、W-2245(8コア/16スレッド)、W-2235(6コア/12スレッド)、W-2225(4コア/8スレッド)、W-2223(4コア/8スレッド)の8モデル。
新Core XシリーズはCore i9-10980XE Extreme Edition(18コア/36スレッド)、Core i9-10940X(14コア/28スレッド)、Core i9-10920X(12コア/24スレッド)、Core i9-10900X(10コア/20スレッド)の4モデルだ。
最大コア数が18で、サポートするメモリーの最大クロックがDDR4-2933(Xeon W-2223のみDDR4-2666)、チップセットも含めた総合的なPCI Expressが72レーンなど両者に共通するポイントは多い。しかし、Intel ARKによればCore Xシリーズはこれまでと同様LGA2066ソケットと明記されている一方で、Xeon W-2200シリーズは対応ソケットが明かされていない。
また、Xeon W-2200シリーズはECCメモリーをサポートしていたり、最大メモリー容量が1TB(Core Xシリーズは256GBまで)とワークステーション向けの特徴を備える。そのためか、18コアモデルの価格は1333ドルと、Core Xシリーズと比べると354ドルほど高価だ。とはいえ、前世代Core Xシリーズの最上位と比べると大幅に安く、ワークステーションやHEDT市場におけるインテルの本気度がうかがえる。
なお、インテルはメインストリームのデスクトップPC向けの「第9世代Coreプロセッサー」の内蔵GPU非搭載モデルに関しても新しい価格体系を導入すると発表した。供給不足も手伝って、デスクトップPC向けCPU市場ではかなり競合にしてやられているインテル。今回の価格戦略が反撃の狼煙となるか。
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