IotとAIで物作りはどう変わる?IoT H/W BIZ DAY2019レポート
ASCII STARTUPが8月26日、IoT/ハードウェアビジネスの体験展示・カンファレンスイベント「IoT H/W BIZ DAY 2019 by ASCII STARTUP」を、御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンターにて開催した。
複数のカンファレンス、多数のスタートアップを中心とした企業によるブース出展で構成されたイベント。IoT、ハードウェアビジネス関係者が一堂に会し、ビジネスマッチングやネットワーキングの場としても、活用できるイベントとあって、大きな賑わいを見せた。
本稿では、取材する中で目についた企業ブースを中心に、会場全体の様子をレポートする。
IoTのアイディアはスタートアップに実現してもらう!
まず目立っていたのが、「クライアントのアイディアをかたちにする」というビジネスを展開するスタートアップ企業。
たとえばASTINAは、ハードウェア、ソフトウェアの設計、開発を主業務としている。自社製品としては、自動で衣服を畳んでくれるタンス「INDONE(インダン)」を開発。アジア圏最大級のIT・エレクトロニクスの見本市「CEATEC JAPAN 2018」に出店した経歴も持つ。
同社は、製品を自社開発するだけでなく、他社のゼロイチ開発(ゼロからイチを生み出す開発)を多数受託している。コンサルタントからプロトタイピング、量産対応までをワンストップでカバーできるのが強み。また、AI開発や、AIとハードウェアを組み合わせソリューションの受託もしている。
会場に展示されていた、同社開発のドローンも見せてもらったが、非常に完成度が高く、複数の企業から依頼を受けるのも納得の仕上がり。「これぞ!」というアイディアは持っているが、どのようにかたちにすればいいのかわからない企業や個人が、アイディアをかたちにするまでのサポートをしてくれる。
ASTINAが、ユニークなアイディアを商品化するための第一歩を踏み出すサポートをする企業とすれば、より実践的なかたちでIoTをビジネスの現場に導入する手助けをしてくれる印象を持ったのが、株式会社ACCESS。同社は、IoT、電子出版、ネットワークを主業務とする企業だ。中でもIoT事業は、クラウドやビーコンをを使用したIoT環境の企画や設計、開発、保守整備までを提供しているとあって、多数の企業へ導入した実績を持つ。
この日の展示は、同社が提供しているビーコンやトラッカー、ルーター、ネットワークカメラといったハードウェアが中心。単三電池ビーコンや、ボタン電池で駆動するキーホルダービーコンなど、身近な電源で作動する機器で、どの製品も非常に小型だ。
「既存の環境をIoT化したいが、どこから手をつけていいかわからない」「導入後の運用に自信がなく、導入時の費用面も心配」など、IoT化の希望はあっても、環境の構築でつまづいてしまうケースも多い。
同社では、クライアントの要望に合わせてどのような機器を設置し、どう運用するかまでのコンサルティングを手がける。企業のオフィスや宿泊施設、店舗など、設置する現場を問わず、「ここが自動化できたら」「この作業をIoTで効率化できないか」といった課題を持っている企業の担当者には、注目してほしい企業だ。
触って楽しめる新技術も多数展示!
IoT H/W BIZ DAYの展示で、毎回人だかりができ、名物になりつつあるのが「ビジュアル的に面白い」ブース。
「ビジュアル的に面白い」というのは多少筆者の独断も含むかもしれないが、いわば「いつかSF映画で見たような光景」だったり、「パッとみただけで近未来感がただようデバイス」であったりする。
ユカイ光学のブース。脳波を利用して動く「necomimi」で、ご存知の方も多いだろう。同社では、ロボットを「心を動かし、人を動機付けすることのできるインターフェース」と定義づけ、「スマートフォンのガラスの次に来る、人の心を動かす次世代のインターフェース」を自分たちの手で作り、世界の標準にしていくというビジョンを持つ。
同社が展示していた製品の中でも特に心をひかれたのが、しっぽクッション「Qoobo(クーボ)」だ。見た目には動物のような毛並みで、しっぽが生えているクッションなのだが、撫でると尻尾を振って反応する。同社ではQooboを「セラピー型ロボット」と呼称しているが、撫で方によって尻尾の振り方が変化する様子は、本当の動物に触れているようだ。
出展企業の中から、アスカネットのブースをレポート。アスカネットは、デジタル写真加工サービスやフォトブック作成サービス、光学表示用デバイスの製造販売をしている。
同社のブースに展示されていたのは「ASKA3Dプレート」と呼ばれる光学デバイスだ。特殊な構造をしたガラスプレートで、画像や物体の放つ光線を、プレートを挟んで反対側の同じ距離の位置に結像するというもの。
モーションセンサーなど、手が近づいたことを認識できるハードウェアと組み合わせれば、浮いている(ようにしか見えない)像にタッチして、端末を操作するといった使い方もできる。実際に触らせてもらったが、ある範囲から見れば、まさにSF映画に出てくる空中ディスプレーのよう。何より、この現象を光学的に実現していて、電気を使っていない点も、応用範囲の広さをうかがわせる。
IoTはすでに
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