ハードウェアはリーク情報どおりだったが
実際の仕上がりやソフトの実装などで驚きがあった
Appleの今回の発表会が意外に盛り上がった、と感じた理由は、こうです。
・ハードウェアはリークどおりの姿だったが、それだけではなかった
ケースメーカーが預かり知らない、背面のガラスの仕上げや細かい質感までは、リークで表現されておらず、結局驚かされることになった。
・ハードウェアの姿はわかっていたが、ソフトの実装する部分まではリークにはなかった
特にカメラシステムの連携や、個人用のサラウンドを作り出す魔法のスピーカー、相手の距離と位置を正確に測るUWBを用いたAirDropなど、既存あるいは新規の技術の実装に驚きが多かった。
・価格が予想以上に安く設定された
ティム・クックCEOは冒頭で、開発者会議WWDC 19と同じスライド「ハードウェア・ソフトウェア・サービス」の一体開発を示したが、それこそがAppleの強みであるということを再認識させられたのです。
ご存知のとおりに、年内にはAppleの1990年代の復活と躍進を支えてきた伝説的な工業デザイナー、ジョニー・アイブ氏がAppleを去ることが伝えられています。
「ID(Industrial Design、工業デザイン)がとにかく強い」という感想を色々なApple社員から聞きますが、その変化はAppleが前述の3つの調和をより強みに変えていこうという変化の現れではないか、と思いました。
つまり、ハードウェアデザインではない魅力によって、これからのAppleはより強く牽引されていくことになる、という予測を立てることができるのではないでしょうか。
Appleも変化しており、我々のAppleに対する期待やイメージもまた変化させた方が、正確にその取り組みを見ることができるのではないかと感じています。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
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