●グランドピアノのタッチを細かく再現
ガジェットとして様々な機能で遊んでいる中で気づかされたのは、純粋にピアノとしての完成度が高いことだ。
カシオの担当者によればPriviaはグランドピアノのタッチを目指して開発しており、鍵盤は本物のピアノのハンマーが叩く弦の太さをシミュレートしているという。試しに高い音と低い音の鍵盤を同じ強さで押してみると、低音のほうがわずかに遅く戻ってくることがわかる。
これは常にはっきりとわかるというより、気をつけて観察するとよくわかるレベルの微妙なチューニングなのだが、鍵盤の重みや、こうした些細なタッチ感がピアノならではの「本物感」を与えている。
●目をつぶれば本物のグランドピアノ
音色も念入りに原音を再現したことが伝わるリアルなものだ。鍵盤から指を離したときに聴こえる機構音(キーアクションノイズ)まで再現しているという。目をつぶって弾いていれば、それは本物のグランドピアノだと言われてもわからないかもしれない。
本体背面のスピーカーが左右に分かれてステレオになっているため、低音から高音へと弾いていくと音色もしっかり左から右へと移っていく。普段ピアノ教室などでグランドピアノを弾いていて、自分の部屋でも小さなピアノを使って練習したいという人にもうってつけだろう。
本体にはペダルユニット(SP-3)を同梱するが、オプションで別売りの3本ペダルユニット(SP-34)を使用すると、より本物に近い環境が実現する。
デジタルならではの機能として、88鍵を同じ音域で2つに分ければ、2人並んで連弾もできる。リビングなど家族の共用スペースに設置して、自由に弾けるようにしておくのも楽しそうだ。
●「家にグランドピアノがあれば」を実現
ピアノとしての確かな作りと、ガジェットとしての顔を両立する本製品。
カシオ担当者は「昔ピアノを習っていたけど、いまは触れていない、でも時々触りたくなるという人にも、ぜひ手にとってほしい」と話す。好きな場所に持ち運んだり、場合によっては使うときだけ出してこられるPX-S1000は、「ピアノは弾きたいけど、お金も場所もちょっとないしなぁ……」という人には最適だ。
個人的には、まず楽器店や量販店の楽器コーナーで実際に試すことをオススメしたい。Bluetoothスピーカーとして好きな音楽を鳴らしながら、88鍵を実際に弾いてもらいたい。価格とサイズからは想像できない本格的なタッチと音色にきっと驚かされるはずだ。ちなみに本製品は、88鍵のピアノであるにも関わらず持ち運び用のソフトケースが用意されている。うっかり衝動買いしてしまったら、かついで帰って、自宅ですぐ弾きはじめられるというのもまたヤバい。
(提供:カシオ計算機)
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