MMORPGプレイヤーなど、ゲームの没入感を高めるために液晶ディスプレーを3台並べてプレイしているユーザーは少なくない。実際、筆者の知り合いにも「ファイナルファンタジーXIV」を3台のフルHD液晶でプレイしている人が何人かいる。彼らは口を揃えて、3台の液晶ディスプレーをスーパーウルトラワイドの製品1台にまとめたいと言う。
そういったユーザーに注目してほしい製品が、日本エイサーが2019年9月10日に発表した「EI491CRPbmiiipx」である。アスペクト比32:9の49インチ曲面液晶ディスプレーで、解像度は3840×1080ドット。VESAのHDR品質基準「DisplayHDR 400」に対応し、Radeon環境下ではスタッタリングやティアリングを抑制する「FreeSync 2 HDR」が使え、ゲーミング用途に向いているモデルだ。それではどのような製品なのか、詳しく見て行こう。
スーパーウルトラワイドがもたらす没入感の高さは抜群
外観から触れていくと、まずその画面の広さに圧倒される。実測で画面の端から端までのサイズは120cmほど。1mを超えるスーパーウルトラワイドのインパクトはかなり大きい。しかも、画面は曲率半径1800Rのゆるやかなカーブがかかっているため、画面の中央と端のそれぞれで自分からの距離がほぼ変わらない点は、曲面ディスプレーがもたらす大きなメリットだ。
なお、高さ調節はできないものの-5度から15度までの上下チルトに対応し、自分の視線に合わせた調整は比較的簡単だ。ZeroFrameデザインと呼ばれるベゼル幅が狭いデザインを採用しており、その見た目はかなりスタイリッシュに思える。また、スピーカーも内蔵しており、3W+3Wという構成だ。
液晶パネルの駆動方式はVAで、光沢のないノングレアタイプを採用。コントラスト比は3000:1で、ACMを利用した際は1億:1まで向上し、比較的明るめの印象。さらに、「DisplayHDR 400」に対応し、輝度は400cd/m2を誇っている点も見逃せない。
また、人間の左右の視野は120度ほどと言われているが、EI491CRPbmiiipxの正面に座るとその視野がちょうどすべて画面で埋まる格好だ。通常、ゲームをプレイしていると、意識しなくても視野の両端にはゲーム画面以外のものが映り込んでしまっている。しかし、EI491CRPbmiiipxであれば、視野の両端にもゲーム画面が映っているため、臨場感は抜群で、没入感はかなり高いと言っていい。
実際に、かつて3画面筐体で話題を集めたシューティングゲーム「ダライアス」のSteam版「ダライアスバースト クロニクルセイバーズ」をプレイしたみたところ、画面の広さに驚くとともに、かつてアーケードでプレイしていた頃の懐かしさが込み上げた。
あの頃のダライアスのプレイ感がわかる人は年齢的に限られるとは思うが、このEI491CRPbmiiipxであれば、かつてのアーケード版よりも敵の放つ弾を避けやすく、かなり快適にプレイできると感じるはずだ。さらに、Microsoftのレーシングシム「Forza Horizon 4」では、画面端に流れる車窓により、まるで実車さながらの臨場感を味わうことができた。
また、AMDのディスプレー同期技術「FreeSync」をサポートしている点にも注目したい。ゲームをプレイしていると、ティアリングやスタッタリングと呼ばれる画面のチラつきやモタつきが気になることがあるが、FreeSyncを利用すればそれらを抑えることが可能だ。さらに、本製品では「FreeSync 2 HDR」にも対応しているため、FreeSync利用時でもHDRを適用させることができる。つまり、EI491CRPbmiiipxならRadeonシリーズのビデオカードと組み合わせることで、美麗な画面でコマ落ちなどなく快適にゲームが楽しめるというわけだ。
リフレッシュレートは最大144Hzまで対応しており、高性能なGPUを利用することでeスポーツと呼ばれるFPSやTPSをプレイする際に1フレームでも多く画面に表示させ、他人より有利に立ち回ることが可能。応答速度は4ms(GTG)とこの画面サイズでは十分高速で、瞬時の操作が勝敗を分けるゲームであっても、もたつきを感じることはない。
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