2019年9月4日、ギットハブ・ジャパンは8月8日の自社イベントで発表されたGitHub ActionsのCI/CD機能について説明した。グローバルで4000万人を超える開発者からのリクエストを受け、GitHubにCI/CD機能を完全統合する。
4000万人を超えたGitHubユーザーから挙がった声とは?
OSSコミュニティ向けのGitHub.comや企業の開発者向けのGitHub Enterpriseを展開するギットハブ。ギットハブ・ジャパン ソリューションエンジニアの池田尚史氏は、今年これまでのGitHubの発表について振り返った。
まず1月には個人ユーザー向けのプライベートリポジトリの無償化を発表。カンファレンス「GitHub Satellite」を開催した5月にはパッケージレジストリのほか、セキュリティの脆弱性に対応するためのDependabotの買収と統合、個人によるOSSスポンサー機能、プルリクエストを高機能化するPull Pandaの買収と統合、デスクトップ版のバージョンアップなどを発表し、現時点までに100以上の機能追加が行なわれている。
日本法人を立ち上げた4年前はGitHubの利用者も800万人くらいだったが、現在は4000万人を越えている。こうしたユーザーから共通に挙がったのは、ソフトウェア開発の手間を削減したいという声だった。「ソフトウェア開発は難しい。複数のツールを連携させ、エラーなく動くようにするためには時間がかかる。コンフィグ、設定、手作業は自動化したいという声が挙がっていた」と池田氏は語る。
これに対して提供されたのが、ソフトウェア開発を自動化するワークフローを提供する「GitHub Actions」だ。そして、今回はこのGitHub Actionsのβ版ユーザーの声に応え、CI/CD(継続的インテグレーション・デリバリ)機能をGitHubに組み込んだ。
完全統合されたCI/CD機能 パブリックリポジトリでは無料提供
CI/CD機能はGitHubに完全統合されており、画面上のチェックスタブにステータスがリアルタイム表示されるほか、GitHubのあらゆるイベントをフックにして、ワークフローのトリガーにできる。ワークフローはYAMLファイルに記述し、マーケットプレイスで公開することも可能。「ソースコードのみならず、いわゆる“秘伝のたれ”だったワークフローも共有できる」と池田氏はアピールした。
また、あらゆるクラウド・言語・フレームワークに対応できるほか、異なるバージョンやプラットフォームで同時にビルドするいわゆる「マトリックスビルト」もサポート。処理のストリーミングや検索も可能で、リンク化されたログの共有なども容易。さらにプラットフォームとして、既存のCI/CDツールとの連携も可能で、パートナーとの協業を進めていくという。
料金に関しては、まずパブリックリポジトリでは無償提供。プライベートリポジトリはアクションが稼働した時間に対する従量課金で、2000分までのFreeプランのほか、3000分のProプラン、1万分のTeamプラン、5万分のEnterpriseプランなどが用意される。また、自社ハードウェア上でのCI/CD実行は無料になる予定で、今年の後半にリリースされる。
GitHub Actionsは現在β版として公開されており、11月13日(米国時間)に正式リリースされる予定となっている。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります