7月末、米中貿易協議が中国・上海で開かれた。ファーウェイは争点の一つだったが、制裁の姿勢に変化はなかったようだ。ファーウェイの運命はどうなるのか? まだ業績に大きな影響は出ていないが、長期化しそうにも見える。ファーウェイは国外の損失を補おうと中国市場を強化しているようだ。
2019Q2のシェアは微増して15%に
Counterpointが7月31日に発表した第2四半期(4~6月期)の世界のスマートフォン市場は(https://www.counterpointresearch.com/combined-global-market-share-huawei-oppo-vivo-xiaomi-realme-reaches-highest-ever-level-q2-2019/)、7四半期連続で前年同期からの減少となった。
上位5ベンダーの順位は変わらず(サムスン、ファーウェイ、アップル、シャオミ、OPPOの順)。だが、アップルとOPPOが前年同期比減(それぞれマイナス11.9%とマイナス2%)となった以外は、各社出荷台数を伸ばしている。
ファーウェイは5月に米国のエンティティリスト(米商務省が定めるリストの1つで、国家安全保障などを理由に輸出を禁止する)入りしたにも関わらず、シェアは4.6%増加して15.8%に。第2四半期には大きな影響は出なかったようだ。ファーウェイ端末はもともと米国ではほとんど存在感がなかった(米中摩擦の影響を受けていない)ことも関係あるだろう。現在ファーウェイのスマートフォンの49%が中国市場での販売という。
だが、将来はわからない。ファーウェイはHiSiliconとしてSoC部門を持つが、ARMとの関係はファーウェイには打撃だ。OSのAndroidについては、ファーウェイは独自OSを開発している(7年前から開発を開始していたとも言われている)とされるため、その場合の傷はむしろGoogleに向くかもしれない。ファーウェイのお膝元、中国市場は大きい。ここをファーウェイが独自OSで塗り替えていき、さらには他のベンダーがファーウェイのOSを採用するようなことになれば、Googleには痛いはずだ。
では「HUAWEI Mate 30」は独自OSが採用されるのか?
ファーウェイの会長であるLiang Hua氏は7月末、ファーウェイ本社で取材に応じて過去の取り組みにより強い成長を遂げているとしながらも、エンティティリスト入りの後では減速していることを認めているという。
South China Morning Postの記事によると(https://www.scmp.com/tech/gear/article/3020686/huawei-enters-period-reckoning-smartphone-business-android-resumption)、Liang氏はエンティティリストによりAndroidが利用できないことを認めながらも、次期フラッグシップの「HUAWEI Mate 30」のOSがどうなるのかの質問に対しては答えを避けたという。Androidの使用を望んでいるとしながら、米国がAndroidの利用を認めない場合は、自分たち独自のOSとエコシステムを開発する必要があるといった発言をしたようだ。
HUAWEI Mate 30の発表は9月と予想されているが、これが延期になる可能性もありそうだ。
ちなみに、Liang氏はこの日、2019年上半期(1~6月期)の財務報告を行った。売上高は23%増の4013億人民元(約6兆円)を記録。背景にスマートフォンの出荷と5G関連のネットワーク機器が好調であることをあげている。純利益率は8.7%と報告している。
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