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第3世代Ryzenと同時発売のAPU「Ryzen 5 3400G」「Ryzen 3 3200G」の実力に迫る

2019年07月09日 15時01分更新

第2世代APUの実力を検証

 今回の検証環境は以下の通り。

検証環境
CPU AMD「Ryzen 5 3400G」(4コア/8スレッド、3.7~4.2GHz)、AMD「Ryzen 3 3200G」(4コア/4スレッド、3.6~4GHz)
CPUクーラー AMD「Wraith Spire」、「Wraith Stealth」(空冷、トップフロー)
マザーボード ASUS「ROG STRIX X570-F GAMING」(AMD X570)
メモリー G.Skill「F4-3200C14D-16GFX」(DDR4-3200 8GB×2、DDR4-2933で運用)
ストレージ Crucial「CT480BX500SSD1」(SATA、480GB SSD、システムドライブ運用)
電源ユニット Thermaltake「TPG-1250D-T」(1250W、80 PLUS Titanium)
OS Microsoft「Windows 10 Home 64bit版」(May 2019 Update適用)
PCケース 長尾製作所「PM-TESTBOARD」

 CPUクーラーはそれぞれ同梱される製品を使用し、チップセットドライバーはAMDからレビュー用に提供されたベータドライバー、GPUドライバーも同じくレビュー用の「Adrenalin Edition 19.7.1」を使用、ドライバー関連の設定はデフォルトのままとした。なお、マザーボードのBIOSも発売前のベータ版であり、同一環境で第1世代Ryzen APUを動作させられなかったため(今後対応予定とのこと)、一部のベンチマークでは過去に計測したスコアーを参考値として提示している。

 ちなみに「Ryzen 5 3400G」があらたに対応した「Precision Boost Overdrive」だが、レビュー用に配られたオーバークロックツール「Ryzen Master」の最新版をインストールすれば設定変更自体は可能だったものの、適用後の動作が極めて不安定になるため、今回は非常に残念だがテストを見送ることとした。

スコアーは前世代から「微増」、Ryzen 5 3400GはOCするだけの余裕アリ

 まずは定番のCPUベンチマーク「CINEBENCH R15」および「CINEBENCH R20」の結果から見ていこう。

「CINEBENCH R15」のスコアー

「CINEBENCH R20」のスコアー

 あくまで参考値との比較となるが、どちらのモデルも従来シリーズからマルチ・シングルスコアーがともに微増している。7nmプロセスの第3世代Ryzen CPUではシングルスレッド性能の上昇が大きくアピールされているが、当然ながら第2世代Ryzen APUではそれほど大きなジャンプアップは望めない。製品版の最適化状況ではさらに性能が伸びている可能性もありえるが、基本的には控えめな進化であり、第1世代Ryzen APUを購入したユーザーがあえて買い換えるような性質の製品ではない、ということは言えるだろう。

「3DMark」のスコアー

 主にゲーム系の3D描画性能を計測する「3DMark」でも、旧世代からスコアー微増という傾向は同じ。DirectX 12 APIを使用したテストである「Time Spy」の結果はさすがに厳しいが、DirectX 11テストである「Fire Strike」の結果はそれほど悪くなく、中負荷~軽負荷のPCゲームであれば、設定次第で動かせるだけの余地はあると言えそうだ。コスパの良い内蔵GPUであることを思えば、じゅうぶんに健闘している。

システム全体の消費電力

 消費電力も見てみよう。PC起動10分後の安定値をアイドル時、「OCCT5.2.1」で、「Power Supply」テストを10分間回した際の最大値を高負荷時として、ワットチェッカーで電力を計測している。結果は見ての通りで、CPUとGPUをほぼ100%使用した状態でも消費電力は130W程度に収まる。当然ながらCPU+ディスクリートGPUを組み合わせたゲーミングPCとは比べ物にならないほどの省電力性だ。

「Power Supply」テスト時のCPU/GPUの最大温度

 同じく「OCCT5.2.1」の「Power Supply」テストを10分間回した際のCPUとGPUの最大温度を「HWINFO 64」で取得したのが上のグラフだ。上位モデルのRyzen 5 3400Gがより低い温度なのは、使用しているCPUクーラーがより高性能な「Wraith Spire」であるためだろう。温度的にはオーバークロックの余地はあるため、Precision Boost Overdriveが本格実装された際にどのようなパフォーマンスを見せるかが楽しみだ。

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