2019年7月4日、ネットアップはエントリモデルのオールフラッシュアレイ「NetApp AFF C190」を発表した。最小構成270万円(参考価格)という低廉な価格を実現しつつ、ストレージOSの最新版「ONTAP 9.6」を搭載。新たに投入したギャランティプログラムにより、容量効率も保証するという。
最新のONTAPにより、効率的なストレージ利用やクラウド連携が可能
ネットアップはストレージOS「ONTAP」を搭載したオールフラッシュのユニファイドストレージとして「NetApp AFF(All Flash Family)シリーズ」を展開しており、容量や接続台数によってさまざまなモデルを用意している。エンドツーエンドNVMeやNVMe over FCにも対応したモデルもあるが、今回発表されたAFF C190はこのうちもっともエントリにあたる機種。既存のA220に比べて約半額となる最初構成270万円という価格が大きなアピールポイントとなる。
NetApp AFF C190は2U筐体に2つのコントローラーを搭載できる高可用性構成となっており、ディスクは960GBのSSDを8、12、18、24本から選択できる。ストレージ接続用のネットワークインターフェイスも10GbpsのEthernet構成と16Gbps FC/10Gbps EthernetのUnified構成が用意されており、ディスクとネットワークで合計8つの構成から選べる。
ストレージOSは上位モデルと共通の「ONTAP9.6」を搭載。インラインでのデータ重複排除・圧縮、仮想的な容量を割り当てるシンプロビジョニング、1000世代までのスナップショットなどにより、効率的なストレージ利用が可能になる。AFF C190では、すべてのワークロードに対して、ストレージ効率化を保証する「ネットアップ ギャランティープログラム」が適用される。これは物理容量の3倍の実効容量を保証するもので、出荷日起算で180日以内に3倍の効率が満たされない場合は、ネットアップの技術者によるアセスメントを経て、追加のドライブやシェルフを無償提供するという。
また、アプリケーションデータをゼロデータロスで別筐体に同期させるSnapMirror Synchronousも利用でき、高い可用性を実現。クラウド連携機能も用意されており、AWSやMicrosoft Azure、GCP、IBM Cloudなどのパブリッククラウドへの非同期バックアップやDR(Disaster Recovery)、ストレージ階層化などが利用可能。使用頻度の低いデータをクラウドに移行する「FabricPool」のライセンスも内包されており、最初の10TB分は無償で提供される。さらに運用効率を高めるためのストレージ予測や分析をクラウド上で提供する「Active IQ」も利用可能だ。
ネットアップ 執行役員 パートナー・アライアンス営業本部 本部長 北野宏氏は、前年比で約30%の伸びを示している国内のオールフラッシュ市場について説明。ネットアップもオールフラッシュ全体で昨年度から約49%の成長率となり、国内シェアNo.1(IDC Japan調べ)を達成したという。「当初は先進的なデータセンターしか買えないような高価な製品だったが、昨今は一般的なエンタープライズへの導入も進んできた。弊社も当初は出遅れていたが、しっかり巻き返すことができた」とオールフラッシュアレイ製品の好調ぶりをアピールした。
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