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マウスコンピューター飯山工場の普段見ることのないPC生産の作業工程や品質管理の現場を見学

2019年06月25日 15時00分更新

徹底した品質管理で1台ずつ丁寧に生産

 マウスコンピューターは6月19日、生産拠点である長野県の飯山工場でメディアカンファレンスを開催。開発機、新型PCの発表を行なうほか、プレス向けの工場見学も行なった。

 開発機、新型PCの発表については、既報のとおり。本記事では、マウスコンピューター飯山工場の見学内容を写真中心に紹介していきたい。飯山工場は同社の開発本部や品筆管理部、出荷前検査、各種品質テスト環境を備え、全マウスコンピューター製品を生産・直接出荷可能な同社のメイン工場だ。

生産のスタート地点である搬入口

搬入口にある検査ブースでは、入ってきたパソコン部品と受入検査表という書類を照らし合わせ、検査をする

もし分からないものや、検査表がない部品が入ってきた場合は黄色いラップでくるみ、目印にする。赤いラップはNGなもの「工場の中には使える物しか置かない」という取り組みの一環だ

 開発本部が同居しているので、勤務先が別の場所なら数日かかるような確認作業をロスなく行なえる。管理番号も受け入れ時に付与し、ユーザーに渡った後でもトレース出来るようにしてあるため、パーツのリコールなどが起きたときでも対応できるという。

検査をパスし管理番号を付与されたパソコン部品だけが倉庫内に保管される

計画管理の部署。通常の工場であれば1ヶ月など長いスパンでの計画を立てるが、こちらでは日々入る受注(BTOパソコンのオーダー)をもとにどこの工場で何を作るかを計画管理している

そして足下にある社長さえ立ち入り禁止というテープを越えると……

BTOパソコンの注文表があり、これに沿ってPCをくみ上げていく。なお、各シートは現場が混乱しないよう「出荷日」別に7色に色分けされている

同じ場所にあるのがCPUをはじめとする高額パーツを管理している場所になる

 写真のパーツはCore i9-9900Xで、実売価格は大体12万円。これが3メートルくらい横に並んでいるので、トータル数百万円くらいにはなるだろうか。当然ながら、本来は立ち入り禁止だ。

そして通路を抜けていくと……

組み立て作業などをするメインの作業場へ到達

上から見るとこんな感じで広い

入り口付近にはコンテナに入れられたパーツがぎっしり。コンテナ1箱に1台分のパーツが収まっている

パーツの取り間違いを防ぐため、コンテナに入っているパーツのシリアルをスキャナーで読み取り、注文票と照らし合わせて間違いが無いかチェック

チェックを通過したらいよいよ組み立て開始。組み立て作業台では、注文票のバーコードを読み取ることで、該当の組み立て手順書が画面に表示される

組み上がったパソコンの側面パネルを開け、別の人が問題が無いかをチェックする。具体的には、ネジが傾いて締められていないかや緩くないかといったことなどで、この工程は全てのパソコンに対して行なわれる

組み上がったら専用BIOSへの書き換え作業

続いてOSやオフィスソフト、ウイルス対策ソフトなどソフトウェアのインストールを行ない、オーディオ機能やブルーレイディスクの再生機能など実装されている全機能の動作確認を行う

主にクリエイター向けパソコンなどでは、暗室で色再現度のチェックを行なう。高価なプリンターを用いて実際に色が再現出来ているか目視確認するなども実施しているとのこと

 機能試験が終わった製品を、今度は負荷試験にかける。パソコン全体に一定時間負荷をかけて安定性をみるためだ。パーツメーカーが正常に出荷した商品でも0.3%程度で不良品が含まれてしまうことはあるため、全ての製品に対して行ない厳選する。

 合格すれば画面に「PASSED」と表示される。パソコン構成によって負荷テストの時間は変わるが、サーバー製品など場合によっては24時間~48時間かかるものもあるそうだ。なお、間に合わなかったらAmazonギフト券5000円キャッシュバックとなる「翌営業日出荷サービス」対象の製品でも必ず行なうとのことだ。

あとはパソコンに同梱する説明書などを用意したら、写真のブースでその同梱物が合っているか再度確認し……

箱詰めして一通りの作業が完了する

箱詰めした製品は出荷ゾーンに移動し、送り状ナンバーなどの控えをとり、出荷漏れがないかの最終チェックを行う

 出荷ゾーンのすぐ横には抜き取り検査を行なうブースが設けられている。ここでは実際に工場で作られた製品を抜き取って作り始めの最初の段階からチェックを行う。品質管理部は工場とは別部隊の管轄で、ここからの指摘や改善のオーダーがあった場合、工場側は必ず実行しなければいけない。

 続いては工場内にある試験設備について少し触れたい。

温度・湿度の耐性をテストする装置。気温については-30℃~+80℃まで対応する

年代物の振動試験器。SHINKO-ELECTRIC製「VP-15B」と記載があった。強くて頑丈なため、いまでも現役とのこと

恒温室(長期ライフ試験室)。

 24時間365日気温40℃に設定した室内で、液晶ディスプレーなどを常に稼働させ続け、劣化速度や焼き付きが起きないかなどを毎日観察するための部屋だ。現在、液晶ディスプレーの寿命は計算で出すのだが、ここでは実際に計測しており、最長で7年入っている液晶ディスプレーがある。

 というわけで、マウスコンピューター飯山工場の見学ツアーはこれにて終了。見学を終えて感じたのは、同社の品質に対する真面目さとひたむきさだ。

 今年の10月に行なわれる増税と、来年1月のWindows7サポート終了を控えた状態で、夏ボーナスや年末商戦の時期がやってくるが、マウスコンピューターなら今回発表された新製品も含めて、きっと安心・安全なパソコンを届けてくれるに違いない。

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