子どもの交友範囲は親が思う以上に広い
子どもたちはSNS経由で(親が把握していない)知らない人と出会っている。今の10代の子どもたちはSNSネイティブであり、ネットで知らない人と交流することが当たり前となっている。
それだけではなく、ネットで知り合った知らない人と直接会うことにも抵抗がない。その結果、出会い系犯罪に巻き込まれるなどの被害も起きている。
子どもたちがSNSで知らない人とつながる実態とリスクについて解説したい。
Twitterでは「#~な人と繋がりたい」
Twitterは大人でも不特定多数と交流する場だ。しかし、10代の子どもたちは大人以上に積極的に知らない人と交流している。プロフィール欄に「バスケ、セカオワ、東京喰種」などと自分の好きなものや趣味について書いている子が多いのは、同じ趣味の人たちとつながりたいためだ。
「#~な人と繋がりたい」などのハッシュタグを利用することも多い。大人の場合は興味関心でフォローしたりされたりするが、このようなハッシュタグはつながり自体を目的としている。フォロワーを増やしたいのが一番の目的だが、同じ趣味の人同士でつながった場合、ここから交流が生まれて親しくなることも少なくない。
「#春から◯◯大」と、自分が進学する大学名のハッシュタグを使っている例も多い。これは、同じ大学に進学する学生と入学前からつながりたいためだ。しかし、この場合もあくまで自称なので、実際は大学生ではないユーザーが混じっていることがある。
LINEのQRコードをTwitterで公開
LINEは元々、電話番号を知っている相手とつながり交流するツールだ。多くの子どもは親しい相手や同級生、サークル仲間などと交流するために使っている。ところが、LINEもTwitterのような使い方をしている子どももいる。
たとえばTwitterなどで「暇つぶしにLINEで友だち追加して」とQRコードを公開する子どもは少なくない。LINEでは、18歳未満のユーザーはLINE ID検索機能の利用が制限されている。ところが、読み込めば誰でも友だち追加ができるQRコードを気軽に公開してしまっている子どももいるのだ。LINEで知らない人とつながると通話もできてしまうため、かなりリスキーな行動と言える。
10代の子どもたちは、このようにTwitter、LINEやそれ以外の様々なアプリで積極的に知らない人とつながっている。それだけでなく、親しくなったら気軽に会うことも多いのが特徴だ。しかし、Twitter経由で加害者と被害者が出会った座間市9遺体事件のように、深刻な事件につながっている例も少なくない。
「ネットでは年齢・性別・素性を偽れる」「ネットで知り合った人と会うことには大きなリスクが伴うので、会ってほしくない」ことは伝えておくといいだろう。
ネット上で交流することで、周りにはいないような人とつながれたり、情報が得られることもある。しかし、リスクにつながることはとても多いので、子どもの利用をしっかり見守ってほしい。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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