BIOSからもWindowsからもオーバークロックが容易に
さらにメモリのクロックアップも容易になる
第3世代Ryzenでこうしたチップレット・アーキテクチャを採用した副産物的なメリットは、CPUとメモリコントローラ、I/Oコントローラなどが分離したことで、それぞれに対して供給できるクロック周波数や電圧などの自由度が高まっており、CPUやメモリコントローラそれぞれのオーバークロックがしやすくなっていることだ。
AMDによれば、第3世代RyzenではBIOSレベルのオーバークロックやWindows上のツールからのオーバークロックがより簡単になっているという。BIOSからのオーバークロックでは1クリックで最適なオーバークロックができる機能が追加される。また、第2世代Ryzenと同じくWindows上では自動クロックアップ機能である「Precision Boost 2」が利用できる。
Precision Boost 2ではPrecision Boost Overdriveと自動オーバークロック機能がさらに進化しており、この機能をサポートするプレミアムマザーボードと組み合わせた場合に自動で最高クロックを引き上げてオーバークロックすることが可能になるとしている。
メモリコントローラはcIODに移動したことで、クロック周波数や電圧などのレーンはCPUとは独立したため、CPUクロックとは独立して、メモリコントローラはメモリコントローラでクロック周波数や電圧などを設定できるようになっている。標準ではDDR4-3200までの対応になるが、それ以上のクロックに容易に設定することができるようになっている。AMDによれば、(もちろんメモリモジュール側の性能に依存するものの)特に特殊なクーリングを足さなくてもDDR4-5133までを実現することが可能だったという。
なお、AMDが最もお薦めのDRAMオーバークロックの設定は3733だそうで、Infinity Fabricとのクロックレシオが1:1のままでの最高速が3733だからということだ(メモリクロックはInfinity Fabricのクロック周波数に連動する設定もできるし、連動しない設定もできる)。1:1のままの最高クロックが3733ということで、その設定ではメモリレイテンシは最速になるため、CPUの性能が向上する。
第3世代Ryzen 7&9には、第2世代の「Ryzen 7 2700X」に同梱されていた「Wraith Prism」が付属されるという。「Wraith Prism」は、新たにRazerのChrome機能に対応しており、CPUファンのLEDカラー、ツールを利用して変更し、ゲームやアプリなどにより色を変えたりすることが可能になっている。自作PCでは透明ケースにして内部のコンポーネントをLEDで飾るのがブームになっているが、CPUファンもそうしたLEDの1つとして使えるのは嬉しいところだ。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう