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マイクロソフト、今後はクラウドサービス市場を開拓か

2019年06月03日 17時30分更新

 マイクロソフトは5月29日、台北で開催されたコンピューター関連機器の総合展示会「COMPUTEX TAIPEI 2019」で基調講演を実施。同社が取り組んでいるクラウドサービスやIoT関連の技術をプレゼンした。

例年以上にクラウドサービスをフォーカスした講演内容だった

 最初に登壇したのはマイクロソフトのNic Parker氏(Corporate Vice President Consumer & Device Sale)。「Enabling innovation and opportunity on the intelligent Edge(インテリジェントなエッジで得られる確信と好機)」をテーマに、現在同社のサービスで使われるクラウドやAIなどのサービス事例を紹介する。

 たとえば、空の安全を守るために、1万3000基の航空機エンジンをクラウド上で機械学習により、リアルタイムでモニタリング。工場での整備などの参考にしているといった事例を紹介した。

Nic Parker氏(Corporate Vice President Consumer & Device Sale)

 人々の日常生活にもインテリジェント・エッジとインテリジェント・クラウドはすでに密接になっている。

 Parker氏は「朝は、ふたりの娘が学校へ行く前に、Xbox Liveのアカウントを使ったマイクロソフトのゲーム『マインクラフト』を今日は何時間プレーできるかを交渉することからスタートする。また医者である妻は、自宅から安全なネットワークでリモートワークをしているが、これは『Microsoft 365』を使っている。また自分自身も、イギリスに住んでいる母に写真を送ったり、自宅から娘とSkypeで会話したり、自分のデータはOneDriveをパーソナルクラウドとしてすべてバックアップしている」と自身を例にとって説明した。

インテリジェント・エッジとインテリジェント・クラウドはすでに生活と密接に関わっている

 Parker氏はインテリジェント・エッジとインテリジェント・クラウドの市場がどんどん大きくなっていると説明。クラウドの成長では、フォーチュン500(全米上位500社)のうち、同社のクラウドサービス「Azure」を使う企業は95%にも達した。2020年には接続するデバイスが200億台に達すると予測している。

クラウドサービスの市場は今後も拡大すると予測

 続いて、Roanne Sones氏(Corporate Vice President Operating Systems Platforms)が登壇。「現在Windows 10は毎月8億のアクティブデバイスがあります。しかし、昨年1年間だけでも1億5000万の新しいデバイスが登場している」とWindows 10が順調だとアピールした。今後のWindowsに搭載する予定の機能について、いくつかのデモも実施した。

Roanne Sones氏(Corporate Vice President Operating Systems Platforms)

Windows 10はアクティブデバイスが毎月8億台増加

 ひとつはAndroidスマートフォン向けにリリースしている「Phone Apps」との連携機能。現状では写真やSMSメッセージの同期などができるが、今後はスマートフォンの画面をPC上にミラーリングし、PCからスマートフォンの操作も可能になる。

スマートフォンの画面をミラーリングしてPCから操作

 Windowsの「Photo」では、写真検索が強化され検索スピードがアップしているだけでなく、その人物の笑っている写真といった検索も可能になる。そのほかWindows Inkでは、手書き入力の文字認識がアジア言語にも対応。中国語の漢字で書き込んだ文字がテキスト化されるデモなどを実施した。

AIを使って写真検索機能を強化している

手書き入力後のテキスト化で中国語も対応

 最後に登壇したRodny Clark氏(Vice President IoT Sales)は、マイクロソフトが提唱している「Azure IoT Plug and Play」を解説した。「Azure IoT Plug and Play」は、マイクとソフトのIoT機器向けクラウドサービス「Azure IoT」と、エッジ側のIoTデバイスを接続するシステム。一般的にIoT機器をクラウドサービスと連携させる場合、複雑なプログラムコードを書く必要がある。「Azure IoT Plug and Play」を使うことで、シンプルなプログラムになるという。

Rodny Clark氏(Vice President IoT Sales)

マイクロソフトはクラウド時代のプラグ・アンド・プレイを提唱

 デモでは「PCは周辺機器ごとに別のドライバーを用意する必要があり、IRQ Complexで、2つの周辺機器を使うのも難しかった。この状況が90年代にWindowsのプラグ・アンド・プレイで解決した。これと同じことをクラウドに接続するすべてのデバイスで実現する」と説明。実際に「Azure IoT Plug and Play」に対応するIoT機器を接続ためのプログラムが数行で済むことも実演した。

実際にIoT機器を利用するためのプログラムコードをデモで提示

 Clark氏は「現在『Azure IoT Plug and Play』には26社がパートナーとして参加しているが、さらに多くの企業に参加してもらいたい」と訴えた。今後のアップデートとして、Windows IoTでのAzure IoT EdgeおよびNXPのプロセッサー(i.MX 6、7、8)でのWindows IoTを一般提供する。rm64でのLinux向けAzure IoT Edgeのサポートをプレビュー提供するほか、「Azure IoT Plug and Play認証プログラム」をスタートするとアナウンスした。

Azure IoT Plug and Playの今後のアップデート内容

デモで紹介したAzure IoT Plug and Play対応記機

 全体で見ると、WindowsやOfficeといったこれまでのマイクロソフトが主力とするサービスや商品、同時期に日本で開催されていた「de:code」でフィーチャーされていた「HoloLens 2」の話もなかった。例年以上にクラウドサービスにフォーカスした内容である。今後、マイクロソフトがどの市場を狙っているかが垣間見れる基調講演だった。

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