日本でAndroidスマホといったらXperia! というくらい、スマートフォンのブランドとして認知されている「Xperia」。常に最新の技術とスマホのトレンドを取り入れて業界の最先端を走るXperiaシリーズですが、その歴史は決して順風満帆ではありませんでした。これからのXperia、ひいてはスマートフォンの来し方行く末を、ソニー大好きライターの君国氏に写真とともに紐解いてもらう連載です(基本的に登場するのは国内で発売されたモデルのみです)。
Zシリーズ最後のコンパクトモデル
「Xperia Z5 Compact SO-02H」
今回紹介するのは「Xperia Z5 Compact SO-02H」。2015年秋冬の新モデルとしてドコモから発売されたモデルです。同時期にリリースされた「Xperia Z5 SO-01H」「Xperia Z5 Compact SO-02H」「Xperia Z5 Premium SO-03H 」という3つのバリエーション展開のうち、一番小さなサイズのモデルとなります。
本体サイズは、約65×127×8.9mm、重さは約138g。Xperia Z5と比べると縦横サイズは随分と小さくなる反面、厚みに関しては少し強調されてしまっていますが、手に持った時の収まりはよく、片手でしっかり握って使えるのはこのサイズ感ならではです。
スペックはSoCがSnapdragon 810 (MSM8994)、メモリーは2GB、内部ストレージは32GB。ディスプレーは「Xperia Z1f(SO-02F)」から続くコンパクト路線で4.6型(720×1280ドット)と変わらず。綺麗に映し出すための幅広い色再現領域を持つ「トリルミナスディスプレイ for mobile」や、動画もよりリアリティー豊かに再現するソニー独自の超解像技術「X-Reality for mobile」といった高画質機能を搭載しています。
デザインを見ると、ボディー背面にXperia Z5と同じくフロストガラスを採用して、半透明のガラスの落ち着いた雰囲気になり、サラサラとした質感。左側面のフレームに「XPERIA」のロゴが刻印されているのもXperia Z5シリーズの特徴です。カラバリは、ホワイトとグラファイトブラック、イエロー、コーラルの4色展開で、ホワイトのみ前面のベゼルまですべてホワイトで統一されています。他3色のベゼルはブラックで共通です。
メインカメラは、F2.0という明るいGレンズに、1/2.3型の約2300万画素の「Exmor RS for mobile」を新たに搭載して、さらにソニーのデジタル一眼カメラ「αシリーズ」に採用されている、コントラストAFと像面位相差AFを組み合わせたハイブリッドAFで、最速0.03秒のオートフォーカスが可能です。
画像処理エンジンBIONZ for mobileとの組み合わせで、解像感を保ちながらのズーム(Clear Image Zoom)や「プレミアムおまかせオート」で撮影する際に、画面に表示する2つバーを上下させて好みで「明るさ」や「色合い」を調整できます。さらにコンパクトモデルでも4K動画の撮影が可能になりました。
Xperia Z5 compactのエンタメ機能として、CDの音質を上回るハイレゾ音源に対応。192kHz/24bitまで対応し、MP3のような圧縮音源もハイレゾ相当にアップスケーリングする「DSEE HX」技術も備えてます。Bluetoothで接続してワイヤレスで音楽を楽しむ際に、従来(SBC)の最大約3倍のデータを転送できる「LDAC」も搭載しています。
さらに、ハイレゾ音源の再生をしながらでも、周囲の騒音を感知して騒音を最大約98.0%低減するデジタルノイズキャンセリング機能を組み合わせることができるようになりました。もともとノイズキャンセリング機能はありましたが、あくまでもハイレゾ音源とは別々に対応したイヤホンでしか使えませんでした。
Xperia Z5 compactからは別売のノイズキャンセリング機能搭載ハイレゾ・オーディオ対応ヘッドセットを用意することで、両方の効力を同時に堪能できるようになりました。
バッテリー容量は2700mAhへとXperia Z3 compactから向上。本体の上部にあるイヤホンジャックや、底面にあるmicroUSB端子は、キャップレスタイプのままIP65/IP68相当の防水性能と防塵性能を備えています。さらに、コンパクト路線の一つ前のモデルとなるXperia Z3 compactから大きく変わったところとして、マグネット端子がなくなり、指紋センサーを搭載する電源ボタンになりました。
そのほか、Xperia内のホーム画面や設定・アプリのテキストのフォント変更も可能で「ソニーモバイルUDゴシック」の他に「ベビポップ」「万葉行書」「ハミング」「モトヤマルベリ」「UD角ゴ コンデンス80」と6種類のフォントから選ぶことができました。
Xperia Z4と同じSnapdragon 810を載せていることに加えて、コンパクトなボディーで発熱が心配されましたが、4K動画撮影含めていろいろな動作が快適に使える事もあって、Xperiaの印象を大きく変えたモデルでもありました。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります