2019年5月16日、ワンビとさくらインターネットはPC紛失時のリモートロックやデータ消去が安価に行なえる情報漏えい対策ソリューション「TRUST DELETE prime with さくらのセキュアモバイルコネクト」を発表した。記者発表会では両社の社長が登壇し、ソリューションのポイントについて説明した。
モバイルPCは外で使ってこそ意味がある
ワンビのTRUST DELETE primeはモバイルPCの盗難・紛失時にリモートロックをかけたり、データを消去するソリューション。フルワイプ方式を採用し、OSを含むドライブ上の全データを復元不可能な状態で消去。消去の指示はスマートフォンや24時間365日対応のコールセンターからも行なえる。監視ポリシーの違反を検知すると大音量のアラームを上げることも可能だ。
記者発表会に登壇したワンビ代表取締役社長の加藤貴氏は、情報漏えいの原因がヒューマンエラーで発生してしまうことが多く、社内ルールでは限界がある点を指摘。とはいえ、「PCの持ち出しを禁止する会社も多いが、モバイルPCは外で使ってこそ効果を発揮する」(加藤氏)とのことで、ワンビのTRUST DELETE primeのような製品が必要になるとアピールした。
昨今の働き方改革の影響で、在宅勤務やリモートワークも増えており、2006年創業のワンビもこの2年間で売上が一気に増えたとのこと。
既存のモバイル通信より安価でセキュア
今回発表されたTRUST DELETE prime with さくらのセキュアモバイルコネクトは、TRUST DELETE primeとさくらインターネットのIoT/M2M向けのSIMサービス「さくらセキュアモバイルコネクト」を組み合わせることで実現された。LTE搭載PCとTRUST DELETEのサービスを閉域網でつないで通信するため、セキュアにリモートロックやデータ消去を実現できる。加藤氏は、「今まではインターネットにつながっていないと消去できないという課題があった。でも、さくらセキュアモバイルコネクトは閉域網を用いているので、セキュアにTRUST DELETEサービスにつなぎ、リモートロックやデータ消去を行なえる」とアピールした。今後、LTE搭載モデルも増えると見込んでおり、対象のPCも拡大していくという。
TRUST DELETE prime with さくらのセキュアモバイルコネクトでは、1ライセンスの年間サービス利用料に基本利用料や通信料がすべて含まれた状態で提供される。発表会に登壇したさくらインターネット代表取締役社長の田中邦裕氏は、月額12円からというさくらのセキュアモバイルコネクトにの料金体系と採用の背景について「安いというか、無視できる程度のコスト。ネットワーク利用料がかかると使いにくいので、製品に利用料を組み込めることが採用の理由だった」と語る。
発売は2019年の夏を予定しており、販売価格(税別)は1ライセンスの年間サービス利用料で1万530円(100本購入時)。既存のモバイル通信を用いたTRUST DELETE primeよりも安価でセキュアになるという。別途SIMの発行料が発生する。
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