近くて遠いオススメのお出かけスポット
普段から出かけ慣れていないと、急に羽を伸ばせる時間ができても、どうすればいいのか戸惑ってしまう。
日頃の疲れが溜まっていて、交通チケットや宿を手配した「大掛かりなお出かけ」は億劫だ。かといって近隣の商店街をぶらぶらしたり、家でテレビを見たりしているのも味気ない。なんとなくそういった、「どうにかしたいがどうにかするのも面倒」という状態に陥ってしまったとき。
私がオススメしたいのは都心からも行きやすい観光地「大涌谷」である。有名な観光地なのでご存知の方が多いかと思うが、身近な人に聞いたところ「知らない」という人も若干いた。あるいは「文字はなんとなく見たことあるけど、どんなところなのかは知らない」という人もいた。そんな大涌谷の魅力を紹介しよう。
地球の鼓動が感じられる噴煙
大涌谷くろたまご館のサイトによれば、大涌谷は約3000年前に、箱根火山で水蒸気爆発による山崩れが発生し、堆積物が地表を覆い、さらに約2900年前に、小規模な火砕流が発生、冠ヶ岳ができ、また火山砕屑物が積もったことで生まれたそう。
火山砕屑物と山崩れによる堆積物の間にあたるのが、大涌谷だ。 その昔は「大地獄」と呼ばれていたらしい。明治天皇、皇后のご訪問を前に「大涌谷」に改称され、その後、大涌谷観光センターが整備され、観光地化していったのだという。
なんだかこの説明だけでも、ワクワクするではないか。水蒸気爆発による山崩れ。さらに火砕流が発生。その結果として、珍しい地形ができあがり、人々を楽しませている。人工建造物の観光地も魅力的だが、自然現象によって生まれた形のないようであるような巨大な地形は、何にも代えがたい魅力にあふれている。さらに谷あいからはさらに谷あいからは火山ガスが発生し、一層、異様な景観になっている。
なお火山ガスは、吸い込むと人体に有害で危険なため、近づくことはできない。いってみるとわかるが、これらが発生している地帯へは降りることができないようになっていて、「入ってはいけません」という立て札も見受けられる。それでも匂いは漂ってくるし、長時間滞在していると、なんとなく呼吸器がビリビリとしてくるような感覚がある。景観が面白いだけでなく、こんなやばいものに近づけるということが面白い!
どこか懐かしいお土産コーナーとたまご
もうひとつの魅力は「大涌谷黒たまご館」だ。これは観光地には必ずある、現代版茶屋みたいなもので、大涌谷名物の「黒たまご」や、それをモチーフとした豊富なアイテムが売っているほか、購入したものを食べて休むのにも使える。
大涌谷黒たまご館は2014年にオープンしたばかりなので、清潔感あふれる現代的な空間なのだが、売っているもののチョイスや、なんとなくのんびりしたムードなどが手伝って、懐かしい気分に浸れる魅力もある。
有名観光地であり、交通機関も整備されていて、手軽に行ける存在でありながら、ものすごく珍しい体験をした気分になれるので、機会があれば、ぜひ足を運んでほしい。
なお新宿から向かう場合、「新宿駅」から「箱根湯本駅」までは特急のロマンスカーで、「箱根湯本駅」から「強羅駅」までは箱根登山電車で行ける。最寄りの「早雲山駅」までは箱根登山ケーブルカーを使い、合計すると、所要時間は140〜150分ほどになる。
のんびり乗り換えしたり、乗り換えタイミングで売店に寄って電車を見送ったりすることを考えても、2時間半ほどで到着するのだ。3時間、4時間となってくると、遠出感が出すぎるし、1時間前後ではお出かけをした気にならないといった場合に、ほどよい所用時間ではないだろうか。
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