あいつは平成生まれだっけ、昭和生まれだっけ
令和になりました。なにかがいきなり変わったわけでもありません。平成からずっと変わらないものがあります。それどころか、昭和から生き残っているものさえあったりする。
ところで、昭和の終わりから平成の始まりぐらいに生まれたものがあります。そこから30年ぐらい経っているので、あれっていつデビューしたんだっけ? と不安になることありませんか? ……あんまりないと思いますけど。
というわけで、今回は「昭和デビューなのか平成デビューなのか、ちょっとわかりにくい」食品を集めてみました。
カルピス「カルピスウォーター」
1991年販売開始なので平成生まれ。当時は「カルピス食品工業」でした。
カルピス発売は1919年ですから、なんと大正生まれ。濃縮されている原液が瓶詰めされていて、単純に水で薄めると、時間が経つにつれて、粒子の凝集・沈澱などの劣化が生じてしまうのだとか。そのため、粒子径を濃縮タイプから細かくすること、鮮度保持のため窒素ガスを封入することなどの工夫をこらして、ようやくの商品化になりました。
外でも気軽にカルピスが飲めるとあって、2000万ケースを超える出荷を達成するほどのヒット作に。「これでようやく(会社としての)カルピスが意図しているカルピスの濃さがわかった」と感動する人もいました。
永谷園「おとなのふりかけ」
1989年10月販売開始なので平成生まれ。
永谷園が、当時、「ふりかけ消費者が12歳を境に急激に減少する」というデータをヒントとして、大人にも満足できるふりかけというコンセプトのもとに開発された商品。「ぼくはおとなの味を知ってしまった」のCMも話題になりました。
2019年には日本食糧新聞社の「平静30年度食品ヒット大賞」において「ロングセラー平成貢献賞」を受賞。ソフトタイプの混ぜ込みの素である「おとなのおむすび」も販売中と、平成を代表するふりかけです。
森永製菓「ぬ~ぼ~」
1988年販売開始なので昭和生まれ。もともとは、1986年発売の菓子「スプーナ」で開発されたエアインチョコを用いてました。田代まさしさんのCM「ますます世間をお騒がせ!」でもおなじみでした。そのあと、あんなことになってしまうのですけれども……。
それはともかく、キャラクターを用いた「ぬ~ぼ~アイス」や「ぬ~ぼ~グミ」も売られるほどの人気を博していましたが、チョコとしては1996年に終売。2008年7月の誕生20周年を機に菓子から独立し、キャラクター単体「ぬ~ぼ~」が商業活動を始めるということで、ウェブサイト「ぬ~ぼ~なこころ」が開設され、現在にいたっています。
ローソン「からあげクン」
1986年販売開始なので昭和生まれ。
ローソンのロングセラー商品「からあげクン」は、指でつまんで歩きながら食べられるホットスナックとして1986年に誕生しました。4月23日からは「平成初期に発売された味の復刻」として、「でからあげクン のり塩味」(268円)が発売されています。
森永製菓「ICE BOX」
1989年7月販売開始なので平成生まれ。
糖分のある氷を凍らせると、糖分が偏ったり、固さにムラができたりということが起こりえます。そこで、味を付けた水をスプレー状にして瞬時に凍らす工程を繰り返すことで解決し、製品化につながったそうで。
氷菓として食べられるだけでなく、烏龍茶、アイスティー、カクテルやジュース類に入れて使えることなども含め、夏季以外でも安定して売れているという、ちょっとめずらしい氷菓です。それだけ独自の個性を持っているということでしょうね。
大塚食品「シンビーノ ジャワティストレート」
1988年販売開始なので昭和生まれ。
このジャワティストレートが世間に定着するまでには、かなり複雑な経緯をたどっています。まず、大塚製薬が1983年に新ジャンルの炭酸飲料として「シンビーノ」を登場させます。30代後半以上の人には懐かしいのではないでしょうか?
ただ、シンビーノ自体はなかなかヒットしなかった。1988年にアップル味以外を製造中止にして、ジャワティストレートを追加。当時テレビで放映された本木雅弘さんのふしぎなダンスが話題となり、売上を伸ばします。
そして、1990年頃にアップル味も製造中止となり、長らくジャワティストレートが市場に残ることになったのです。2009年には緑茶である「ジャワティストレート グリーン」が、2012年には白茶である「ジャワティストレート ホワイト」が発売されるなど、すっかりジャワティだけが残ってしまったというわけ。
1986年の昭和生まれの筆者も、令和に突入
ちなみに筆者は1986年(昭和61年)生まれなので、ギリギリ昭和の人ということになります。とはいえ、もう32年も前の話ですから、令和生まれの人に「昭和生まれなんすか? オイルショックとか経験しました?」とか言われそうで怖いですね。
これを機に、いろいろなものが、平成生まれなのか、昭和生まれなのか、はっきりさせておくのもよいかもしれません。昭和と平成の生き証人として(おおげさ)、いろいろな文化を語り継いでいこうと思います……。
モーダル小嶋
1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。
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