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「ごろごろ煮込みチキンカレー」の強力ライバルになるか:

吉野家「チキンスパイシーカレー」松屋との全面戦争

2019年04月18日 17時30分更新

カレーとしては松屋に軍配が上がる
ビールを飲みたいなら吉野家かも

 もし、吉野家か? 松屋か? と聞かれたら、やはり松屋に軍配が上がります。もちろん、松屋を称揚したいがために、吉野家のカレーを貶めようとしているわけでは断じてありません。

 吉野家のチキンスパイシーカレー、けっして悪いわけではない。牛丼チェーン店のカレーとしてレベルが低いものではないですし、タンドリーソースを絡めた辛口のチキンもなかなかのものです。

 両者が組み合わさることで「1+1=2」以上のマジックが生まれていないのは、惜しい。とはいえ、牛丼チェーン店のカレーとしては、カレーとトッピングをそれぞれ改良して生まれた、正当進化のメニューといえると思います。“ハズレ”のカレーではありません。

タンドリーソースを使ったチキンは高く評価したい

 一方、松屋のごろごろ煮込みチキンカレーは、方向性がまるで違います。チキンとカレーが渾然一体となっており、両者は分かちがたい。ごろごろチキンとあのカレーを組み合わせたことで、破壊的イノベーションが生まれたのです。

 とはいえ、松屋がそのあと「ごろごろチキンシリーズ」でなかなか大ヒット作を生み出せていないのを見ると、ほんとうに偶然の産物だったのかもしれません。吉野家が正当進化なら、こちらは突然変異といえるでしょう。トニー・マンスフィールドがプロデュースしたネイキッド・アイズ(Naked Eyes)の「Always Something There to Remind Me」みたいな。よけいにわかりにくいかもしれませんが。


 こじつけですが、名前からしても違いますしね。吉野家は「チキンスパイシーカレー」、スパイシーカレーにチキンを足した、というたたずまい。松屋は「ごろごろ煮込みチキンカレー」、“チキンカレー”に煮込みという行程をくわえたことを思わせるネーミングになっています。意外と、ここに両者の違いがわかりやすく出ているような気もします。

 ただ、「カレーを食べながら、ビールを飲みたい」というのであれば、自分は吉野家を推します。唐辛子とショウガの風味を活かしたカレーのテイストと、辛口のチキンが、ビールによく合うことでしょう。松屋は味噌汁がつくこともあり、おつまみというよりはランチ/ディナー感がありますね。

 牛丼チェーン店のカレー戦争、消費者としては選択肢が増えてうれしいことに思えますが、はたしてこの先に何が待っているのか……。基本的に、競争は市場を活性化するものです。吉野家の正当進化、松屋の突然変異とも違う、第三の方向に進むカレーがあらわれるかもしれません(意外と、回転寿司チェーンあたりがやってくれるような気もする)。期待しています。


モーダル小嶋

1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。

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