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「チャレンジ九州 北九州でIoTビジネスアイデアコンテスト メイカーズになろう!」プロジェクトのデモデイ開催

トイレットペーパー経費1700万円をIoTで削減

2019年05月09日 06時00分更新

[課題]IoTによるあんしんリモデル(TOTO)
台所の調味料の残量を常に可視化“愛の目盛ー(メモリー)”

 松崎しげるの「愛のメモリー」が流れるなか登壇したのは、株式会社ビビンコ(北九州市)。前回の『北九州でIoT』で採択された「IoT+AIもくもく勉強会」が起業したベンチャー。今回は、登場音楽の通り「愛の目盛ー」と題した調味料の残量の可視化で家族の健康を守るIoT機器だ。なかでも塩の摂取は、量が多いと高血圧や内臓への負担がかかり、脳卒中や心臓病などの病気になる可能性が高くなる。

 なぜ塩分を取りすぎてしまうのかというと、どれだけ取っているか気にしていないから。そこで、摂取量を制限するべく一番使われる調味料、醤油の量を計測し、塩分を取りすぎているとLEDが赤く光って知らせるというもの。スマホアプリと連携して塩分摂取量などが分かるが、LEDを付けることですぐ認識できるようになっている。醤油の種類はバーコードリーダーで認識し、1日の摂取量を算出している。

 電池駆動で現段階では数ヵ月しかもたないが、通信回数を工夫して節電すれば、さらに長く電池が持つとのこと。サイズはシステムキッチン内のどこにでも置けるようにしており、今後は油などほかの調味料にも広げていきたいとした。将来的にはTOTOのシステムキッチンのオプションとして設定になることを期待。アプリでAIによる健康メニューの提案などを予定している。

調味料の下にある箱が「愛の目盛ー」。重さを検知して減る量から塩分摂取量を算出

塩分量などを知らせるアプリ

[課題] IoTで作る未来の水まわり空間とは(TOTO)
センサー付きIoTトイレットペーパーホルダー“カミアール”

 自社でIoT製品開発をしながら、国内外の企業の海外進出を支援しているFutuRocket株式会社(東京都)は、「IoTで作る未来の水まわり空間」をテーマに、トイレで重要なトイレットペーパーの補充をサポートするIoT機器を作り上げた。公衆トイレの場合、トイレットペーパー代もバカにならない。だいたい1つの公衆トイレで年間3万ほどかかる。また、トイレットペーパー代だけでなく、補充するために交通費も人件費もかかる。

だいたいトイレットペーパーを維持するために、年間約3万円かっているという。北九州市には558箇所トイレがあるので年間約1700万円かかる計算

 公衆トイレの設置場所によって利用頻度が異なるため、補充作業が必要ないときに見に行くことになると無駄になってしまう。そこで、トイレットペーパーの残量を検知する装置を開発。15分間間隔で通信し、5%~10%刻みで残量を教えてくれる。ソーラーパネルで十分充電・駆動し、SIGFOXを使って通信を行なうため、設定が簡単で通信環境が整っていない場所でも設置できるとしている。

 この装置により、効率的に交換作業が行なえることで、人件費の削減やトイレットペーパーの無駄を減らすことにもつながる。年間の使用量も把握できるため、予算も組みやすく、部材も通信費も安いので、コスト的には月にトイレットペーパー2個から4個ぶん。月額500円を考えている。どこのトイレがどのぐらい使われているのかという情報収集も可能なので、行政の都市開発にも役立つはずとした。

 今後は、バッテリーを設置することで、何ができるか検証するとし、たとえば有料でスマホを充電できるようにして、キャッシュレス決済で収入を得られれば、トイレットペーパーのコストを回収できるようになる。

実際に作られたサンプル

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