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「平成」と「令和」 新元号発表の瞬間の違い

2019年04月03日 17時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII編集部

 この連載の原稿は大抵、日本時間の月曜日の午前中に書くようにしています。しかし今回は、もう少しあとの時間に書いています。2019年4月1日午前11時半に、日本の新元号が発表されたからです。

縦書きに対応した「Pages」で新元号を表示させてみました

 新元号は読者の皆様もご存じのとおりに「令和」となりました。万葉集からの引用は初めてだそうです。

元号の選定は、

・今までに使われていないこと
・天皇のおくり名になっていないこと
・漢字2文字
・読みやすい
・前向きな意味合い
・一般的な言葉ではない
・俗用されていない

といった条件の中から言葉を見つけることになります。というよりは、言葉を作る作業だった、と思われます。

 「平成」になった時にも思ったことですが、新元号は聞き慣れない、違和感、という感想を持ってしまいます。しかし、上のような条件を見ると、そもそも一般的ではなく俗用されていないことから、違和感があって当たり前なのかもしれません。

 最近、iPhoneでも利用できるAppleのワープロソフト、Pagesが縦書きに対応しました。10年来、Apple Japanが本社にリクエストしてきた機能だそうで、自動ルビや4桁までの縦中横(縦書きの中で数字を横書きに組んで入れる)にも対応しました。

 そのPagesの縦書き機能で、新元号にふりがなを付けて入力してみました。

新元号発表の日、公園で

 東京は雨や風が強まり、気温も低かったりでいつお花見に行けるかわからなかったので、少し足を伸ばして公園の桜を見物していました。

都内の桜も今週末がピークでしょうか

 まだ新学期が始まっていない小学生ぐらいの子どもたちが遊んでいましたが、発表されて数時間後にも関わらず、新元号の会話をしていました。彼らの手にはスマートフォンがあり、菅官房長官が「令和」の文字を掲げている写真を友達同士で見せ合っていたのです。

 筆者が昭和64年1月に新元号『平成』を迎えたのは8歳の時。昭和ではなくなったというニュースは、家でテレビを見ていた親から知りました。その事を思い出して、現在とはまったく違っていることに、あらためて驚かされたのです。

 ニュースを自分のデバイスで受信できる、もしくは親とのコミュニケーションも個人個人のデバイス間で交わされる、ということに驚かされたのです。

 世の中のニュースを知る手段は、テレビのニュースを見るしかなかった自分の小学生時代との対比はすさまじいものがあります。さすがに小学生新聞までは取っていませんでしたので、自分専用の情報手段はなかったわけです。

 また米国在住時代は、小学生が学校の後、待ち合わせして子どもたちだけで公園に遊びに来ることは、少なくともカリフォルニア州バークレーでは見かけませんでした。だからこそ、子どもだけで外に出かけられる日本の治安の良さと、そういう子どもの行動に合わせて情報端末が行き渡っていく様子は、日本ならではの風景だ、と思います。

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