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Xperia Zシリーズを刷新した第一弾「Xperia X Performance」

2019年04月02日 10時00分更新

 日本でAndroidスマホといったら「Xperia」! というくらい、スマートフォンのブランドとして認知されている「Xperia」。常に最新の技術とスマホのトレンドを取り入れて業界の最先端を走るXperiaシリーズですが、その歴史は決して順風満帆ではありませんでした。これからのXperia、ひいてはスマートフォンの来し方行く末を、ソニー大好きライターの君国氏に写真とともに紐解いてもらう連載です(基本的に登場するのは国内で発売されたモデルのみです)。

Zシリーズから一新された
Xperia Xシリーズ

 長らく続いた「Xperia Zシリーズ」から一新、2016年に「Xperia Xシリーズ」へと変化を迎え、ドコモ、au、ソフトバンクの3社から夏モデルとして発売された「Xperia X Performance」。

 まず、デザインが大幅に刷新。背面の素材はXperia Zシリーズが採用していたガラスから、アルミを採用したメタル素材のバックパネルに変更。フロントガラスの周囲が2.5Dガラスという丸みを帯びた形状になり、サイドフレームとの連動で全体的にラウンドした形状で掴みやすいボディーに。

 ディスプレー周囲のベゼルカラーも本体カラーと同色になり、背面カメラのリング周りも同色と、統一感が強くなりました。

 また、背面はアルミを採用したメタル素材のバックパネルに、ホワイトとグラファイトブラックははっきりとわかるヘアライン加工、ライムゴールドとローズゴールドにはサンドブラスト加工という処理の違いもありました。

 当時、グローバルモデルでは一枚板であった背面パネルが、国内モデルでは通信性能を上げるためか下部に樹脂を採用した分割デザインとなり、国内外の差が物議を醸しだすという一幕もありました。そのほかには、背面のメタルパネルを考慮してか「NFC/おサイフケータイ」の搭載位置が、正面のフロントカメラの横に移動しています。

スペックはハイエンドクラス

 スペックを見ていくと、ディスプレーサイズは、5型(1080×1920ドット)と、Xperia Z5の5.2型よりも少し小さくなったものの、本体のトータルサイズはあまり変わっていません。広色域・高コントラスト・高精細は引き続き、今回は広色域の「トリルミナス ディスプレイ for mobile」にて、赤と青の再現性の高さに加えて緑の色域も向上しています。

 プロセッサーはSnapdragon 820(MSM8996)を採用。メモリーは3GB、内蔵ストレージは32GB。Xperia Z4のときのような負荷がかかるとすぐに本体が熱くなってしまったり、意図せずカクつくという挙動に悩まされる事もなく処理能力は向上しました。

4K動画撮影はなくなったが
カメラ機能も順当にバージョンアップ

 メインカメラは、1/2.3型の約2300万画素のイメージセンサー「Exmor RS for mobile」を採用。カメラキーの長押し起動からオートフォーカス、撮影までの一連動作で最速約0.6秒、オートフォーカスのスピードでは0.03秒といった素早く撮影できる機能を進化させています。

 また、被写体の動きを予測する「先読みオートフォーカス」により、被写体を捉えるとずっとフォーカスを追いかけ続けてくれます。

 フロントカメラは従来モデルの1/5型500万画素センサーから、1/3型1300万画素のイメージセンサー「Exmor RS for mobile」となり、6枚構成のF2.0レンズへと大幅に進化しました。感度も上限ISO3200からISO6400と上がり、解像度を保ちつつノイズ軽減してくれる「マルチショット NR」や、自撮りする時はカメラ目線に近いところにカウントダウン表示するといった具合に充実のセルフィー機能などを備えていました。

 ただし、動画機能については、「Xperia Z2」から約2年間搭載され続けていた4K動画撮影がXperia X Performanceのカメラアプリではなくなってしまいました。さらに、複数アプリを使いこなせる「スモールアプリ」がなくなったのもこのモデルからです。

ハイレゾにもノイズキャンセルにも対応する
オーディオ機能

 オーディオ機能は、対応したヘッドホンを用意すればCDの音質を上回るハイレゾ音源(192kHz/24bitまで対応)楽しむことができ、MP3のような圧縮音源をハイレゾ相当にアップスケーリングする「DSEE HX」技術を備えています。周囲の騒音を感知して騒音を最大約98.0%低減するデジタルノイズキャンセリング機能も、ハイレゾ音源と同時に併用することもできます。

 ノイズリダクションのノイズの除去が効率化され、より音楽に集中して聴くことができるようになったこと、サウンド処理が16bitから24bitにアップし、マイク位置を中央位置へ変更するといった改善がなされました。

 Bluetooth接続では、SBCの最大約3倍のデータを転送できる「LDAC」にも対応、ワイヤレスでも高音質を楽しめます。

進化や改善が見られたが
Zシリーズのような評価は受けられなかった

 SIMカードと、microSDカードを収めるスロットは一体型に。接続端子は、USB Type-CではなくmicroUSBのまま。サイドフレームにある電源ボタンは、電源と共通した指紋センサーを採用。IPX5/IPX8相当の防水性能とIP6X相当の防塵性能を持ち、水回りでも安心して使うことができました。

 Qnovo社と共同開発した充電の最適化技術を導入し、状況に合わせた充電をする事によってバッテリーへの負担を軽減、劣化しにくいバッテリーを実現しています。Xperia独自の「STAMINAモード」も健在で、さらに電池の消費を抑える事もできます。

 ハードウェアやシステムをはじめ、カメラやオーディオまわりに進化や改善がみられてスマートフォン単体としては良い機種ではありましたが、「Xシリーズ」と大々的にシリーズ名を刷新してまでのコンセプトやデザインの変化が少なかったこともあり、辛口な評価を受けることの多かったモデルでした。

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